傾覆けいふく)” の例文
これによりて感激し、ついに先帝にゆるすに駆馳を以てす。後、傾覆けいふくにあい、任を敗軍の際にうけ、命を危難のあいだに奉ぜしめ、爾来じらい二十有一年矣。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり活力を失うのみならず、社会の精粋せいすいようやく封建社会の外に集り、智勇弁力は、既に封建社会の敵となり、封建社会は、その中心点を失うて、漸く傾覆けいふくせんとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
今日極論役目をかえることあい成り候えば、行府の奸使傾覆けいふくののちは立派なことなるが、それが出来ぬとはさてもさても。沢山な御家来のこと、吾輩のみが忠臣にこれ無く候。
天地と 傾覆けいふくを同じうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)