“傾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かし44.1%
かたむ37.2%
かたぶ5.3%
かたむき4.7%
かた3.8%
1.1%
0.6%
かたふ0.5%
かしが0.3%
かたぶき0.3%
0.2%
あふ0.2%
かしげ0.2%
かたが0.2%
かたむい0.2%
かぶ0.2%
けい0.2%
0.2%
こぼ0.2%
つく0.2%
のめ0.2%
0.2%
カブ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時折首をげながら調べていたが、やがて立上ると、今しがた部下の警部補と何か打合せを終えた内木司法主任に向って声を掛けた。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
自分はの中に鳥を入れて、春の日影のくまで眺めていた。そうしてこの鳥はどんな心持で自分を見ているだろうかと考えた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただ一呑屏風倒れんずるじさに、剛気船子啊呀と驚き、の力を失うに、はくるりと波にれて、船はきぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また評論中にはひたすら重きを歌麿に置かんと欲せしが故かもすればその以前の画工鳥居清長鈴木春信らをぜんとするあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかし日暮しの時には、先生は少し首をむけて、いやは以太利じゃない、どうも以太利では聞いた事がないように思うと云われた。
ケーベル先生 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
浅間な庭の植木棚のサボテンの鉢が、風に吹きまわされ、いまにも落ちそうにしいでいるが、そんなものに眼をやる暇もない。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
声のする方へ眼をやると、そこには福田博士が古釘のやうに少し頭をげて立つてゐた。
その人は六十路余にきて、顔はみたれど膚清く、切髪などなかなかありげにて、風俗も見苦からず、異様なるは茶微塵御召縮緬被風をも着ながら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
火が盛に燃えて、釜の中で熱湯が煮えたぎる音と、釜の啼く音とが。女の苦しんでいると否とに拘わらず、った煙突からはが出て、それが思い思いに北に行き、南に行った。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
弥ざゑもんはよきものをみつけたりと大にび、もとらんとおもひしが、日も西にたれば明日きたらんとて人の見つけざるやうに山刀にて熊を雪にめかくし
不意に呼びかけられて、右手に編笠をげるうちにも、左手は一刀の鯉口を、こう栂指で押えていようといったみは、持ちか、要心深さがさせるか、とに容易ならぬ心掛の若者です。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
何事か呪文の如き事を口ずさみ、交る/\天をぎて訴ふる様、波羅伊曾の空にしませる彼等の父の不思議なる救ひの手を待ち設くる体なり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
垢だらけの首をる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
電信柱に下向きのり燕、一羽気まぐれに浮いたが、どこかの手飼いの交りに、音を捕うる人心を、はッと同音に笑いでもする気勢
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだ日は西にたばかりだ。製造場のには、土方等の使っている鶴嘴や、土堀る道具がれてある。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このことは、前に言った高橋さんたちのはたらきとともに、まだ世間につたえられていないのでとくに、人々のちょうをあおいでおきたいと思います。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
洋装、和装、頬紅、口紅、引眉毛取り取りにニタニタ、ヘラヘラと笑いけながら、荘厳を極めたロココ式の応接間に押し並んだところは、どう見ても妖怪だ。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
虎が圏中で吼ゆるを観たが一向懼ろしくなかった、家内にあって山上の虎声にき酒をしたなどは余程の臆病者じゃ。
暇日開宴迎客傾 暇日 き 客をえて
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そのまま前りに転がった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まだ月もそう西へはっていない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……群鳥の わが群れなば 引け鳥の 我が牽けなば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門一本薄 し 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿むぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)