“カブ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かぶ
語句割合
40.0%
10.0%
九年母10.0%
10.0%
博奕10.0%
歌舞10.0%
10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紐を解き敷いて、折り返しカブれば、やがて夜のフスマにもなりまする。天竺の行人ギヤウニンたちの著る僧伽梨ソウギヤリと言ふのが、其でおざりまする。早くお縫ひあそばされ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
一の字をりつけられたのは、抗夫長屋ではやっていた、オイチョカブ賭博とばくの、インケツニゾサンタシスンゴケロッポーナキネオイチョカブのうち、このふだを引けば負けと決っているインケツの意味らしかった。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
九年母カブは中央部では橙とは別種と言われるが、西国ではこの区別はないようであり、これにもまたクニブという類の地方名がある。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
……群鳥の わが群れなば 引け鳥の 我が牽けなば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門ヤマト一本薄ヒトモトスヽキ ウナカブし 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿タタむぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この度胸に就て一言するならば、例えば好んでやるオイチョ博奕カブに於て、彼の度胸は非常に高いものにつくのだ。これは彼のしば/\誇張するところのものだ。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
花時には花を以て祭り、鼓吹コスヰ幡旗ハンキつて歌舞カブして祭る(紀一書)とあるハナイハヤの祭りは、記録のぺいぢの順序を、其儘時間の順序と見る事が出来れば幡旗と言ふ語の、見えた初めである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが何だかモヤモヤと温い摺鉢のやうなものが脳膸の天井にカブさつてるやうで、過去一年間の其処にある何にも彼の頭に蘇りはしなかつた。
校長 (新字旧仮名) / 中原中也(著)