“窟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いわや31.7%
いはや19.0%
くつ17.5%
あな14.3%
いわあな4.8%
ガマ3.2%
うろ1.6%
むろ1.6%
いは1.6%
いはむろ1.6%
やぐら1.6%
イハヤ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこは峨々ががたる岩山で、所々に巨大ないわやがあった。その中の一つの千疋洞に百地ももち三太夫と才蔵とが久しい前から住んでいるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
汝まづ我をパルナーゾのかたにみちびきてそのいはやに水をむすぶをえしめ、後また我を照して神のみもとに向はしめたり 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかし、院を背景とする薄暗い底流くつに、いったいどんな怪魚が寄って、何をささやき合っているか、これもまだ表面のものではない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老宰相とともの者はあなの口へ来て内をのぞいていた。李張はちかけた衣服きものに包まれた白骨を抱いてその眼の前にあらわれた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
けれどいわあなの口には、彼女の力ぐらいでは、動きそうもない大きな岩が、三つ四つ積み重ねてあり、出入りを封鎖してあるのだった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其が海中である事も、道傍の塚である事も、崖のガマである事もある。総称してをがんといふ。拝所即をがみである。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
うろにのぞんでたきたてしに熊はさらにいでず、うろふかきゆゑにけふりおくいたらざるならんと次日つぎのひたきゞし山もやけよとたきけるに
村人は地むろの中で、藁細工に長い冬の日を送つてゐたのが、今こそ出るべき時が來たとやうに、身仕度をして野良仕事に出掛けるのである。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
「がんどういはに着いたら、いくらでも騒いで呉れ。」
カプリの島なるいはむろに往け、アンジエロは富貴を獲べく、汝はトビアスの如く、(舊約全書を見よ)光明を獲べしと云ひぬ、醒めて後アンジエロに語れば、これも同じ夜に同じ夢を見き。
北条の腹切りやぐらの石塔を、今のうちに撮影しておかうなどと、殊勝な心掛をおこした。これが第三にをかしい。おまけにまた……いや、順を追つて話すとしよう。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
花時には花を以て祭り、鼓吹コスヰ幡旗ハンキつて歌舞カブして祭る(紀一書)とあるハナイハヤの祭りは、記録のぺいぢの順序を、其儘時間の順序と見る事が出来れば幡旗と言ふ語の、見えた初めである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)