“うろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
迂路24.7%
雨露19.5%
11.7%
烏鷺11.7%
9.1%
胡乱6.5%
有漏2.6%
洞穴2.6%
空洞2.6%
周章1.3%
(他:6)7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「駄目だよ。お孃さまだつてお前さんに何もして上げることはないよ。今時分迂路うろつくなんて。ほんとにいやらしいことだよ。」
迂路うろつきまわるのですでに三以上いじやうあるいたにかゝはらず、一かう疲勞ひらうせぬ。
山中五里。——その夜の泊りも、ひどい山宿やまやどだった。雨露うろをしのぐだけの掛屋根、むしろがあるだけの猪小屋ししごや
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家屋の目的は雨露うろしのぐので、人をふせぐのでないと云ふのが先生の哲学だ、戸締なき家と云ふことが
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
一本榎いつぽんえのきうろより數十條すうじふでうくちなはとらきた
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると、裏店のいどのわきにそびえている大きなけやきうろから、
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
差当つて仕事ができないし、やがて幻に烏鷺うろを睨んで寒中浴衣で蹌踉と巷を歩くやうになり、早死してしまうからである。
生命拾ひをした話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
舌を腭頭あごさきに飛ばして、泡吹くかにと、烏鷺うろを争うは策のもっともつたなきものである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奥に進み、山桜の大木の根もとが広いうろになつてゐるのに潜り込んで、
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奧に進み、山櫻の大木の根もとが廣いうろになつてゐるのに潛り込んで、
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
「何んの変なことがございましょう。濛気から外へ出ることが出来ず、八日の間飲まず食わず胡乱うろついていたのでございますもの」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今更本郷くんだりの俺の縄張内を胡乱うろついて、三世相の盗人覗ぬすっとのぞきをするにゃ当るまい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老のかげかくさで照せのりの月めぐみを有漏うろの露にやどして
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
胸に燃ゆる情のほのほは、他を燒かざれば其身をかん、まゝならぬ戀路こひぢに世をかこちて、秋ならぬ風に散りゆく露の命葉いのちば、或は墨染すみぞめころも有漏うろの身をつゝむ、さては淵川ふちかはに身を棄つる、何れか戀のほむら其躯そのみを燒きくし、殘る冷灰の哀れにあらざらんや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
樵夫きこりをのが深く幹にひ込むやうになると、急にばた/\と音がして、洞穴うろのなかから何か飛び出した物がある。
禅師は寺の住職に勧めて、その枯木を根から掘らせた。だん/\掘つてくうちに、椎の木のなかが深い洞穴うろになつてゐるのに気がいた。
代々木の山の中に、最早くさりかけて、両眼はからすにつゝかれ、空洞うろになって居たそうだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しづかなる空の中処なかど空洞うろありてきたる待つとふけだしその空洞うろ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
無造作むぞうさに突っ立った、相手の体構えに、不思議な、圧力がみなぎっていたのだ。何十何百の、捕り方に囲まれても、一度も周章うろたえたことのないような、不敵者の彼だった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
といって、子供の時は、まったくたまにしか見ることはなかったのですけど、それが、中学のなかば頃からは、殆んど毎夜のように夢の世界を彷徨うろつき廻っていたのです。
歪んだ夢 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
あっちこっち烏路うろついた最後は、やっぱり川窪をたのむより仕方のない事になった。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
岩は鋼鉄のように硬くなりながらも、イワベンケイ、ミヤマダイコンソウ、ムカゴトラノオなど、黄紫のやさしい花を、点々とその窪洞うろめながら、ギザギザに尖っている輪廓を、無数に空に投げ掛けている。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
しくしくと冷めたいっぱい草のしるが虫歯の虚孔うろに沁み入った。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
武士は白歯を覗かせてニッとばかりに笑ったが左右そうなく上っても行かないのは黐棹の先が渦巻き渦巻き両眼の間を迂乱うろつくからで、心中ひそかに驚いている。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あたい、あの方のこれなのよ、お妾さんなんかじゃないわ、も一遍、ほっぺ叩いて見せてあげるわ、ね、ちっとも、お慍りにならないでしょう、あたいの言うこと何だって聞いてくれるのよ、いまにお池と魚洞うろをつくってくださるお約束なの、おじいちゃま、お金がほしかったら、こんど来る時にうんと金魚持っていらっしゃい、お池に放すんだから、どれだけ居たって足りることはないわ。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)