“うろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
迂路22.6%
雨露20.4%
洞11.8%
烏鷺11.8%
虚7.5%
胡乱5.4%
空洞4.3%
有漏3.2%
洞穴2.2%
窟1.1%
周章1.1%
彷徨1.1%
烏路1.1%
窪洞1.1%
胡亂1.1%
虚孔1.1%
迂乱1.1%
魚巣1.1%
魚洞1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その小鬼が、一晩じゅう雨に紛れてこの家のまわりを迂路(うろ)ついていた——祖母は、それを自分のお葬式の報(しら)せであると取りました。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
尋ね出して夫(をつと)道十郎殿の惡名を雪(すゝ)がせん者をと夫より心を定め赤坂(あかさか)傳馬町(でんまちやう)へと引取られ同町にて表(おもて)ながらも最(いと)狹(せま)き孫店(まごだな)を借受(かりうけ)爰に雨露(うろ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
元来、景時は平家系の人間だが、石橋山で頼朝が惨敗し、大木の洞(うろ)に隠れていたのを、彼が知りながら見遁(みのが)してやったため、後に、鎌倉へ召されて重用された人物である。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
差当つて仕事ができないし、やがて幻に烏鷺(うろ)を睨んで寒中浴衣で蹌踉と巷を歩くやうになり、早死してしまうからである。
生命拾ひをした話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
それより、ママの古い恋文、飯島の神月の別荘の、暖炉棚の虚(うろ)に放りこんであるって、書いてあったわね。あなたが心配しているのは、そのことなんでしょう。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今更本郷くんだりの俺の縄張内を胡乱(うろ)ついて、三世相の盗人覗(ぬすっとのぞ)きをするにゃ当るまい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼の家に移って後も、梅雨(つゆ)前(まえ)になると蛇が来て空洞(うろ)の孔(あな)から頭を出したり、幹(みき)に絡(から)んだり、枝の上にトグロをまいて日なたぼこりしたりする。三疋も四疋も出て居ることがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
胸に燃ゆる情の焔(ほのほ)は、他を燒かざれば其身を焚(や)かん、まゝならぬ戀路(こひぢ)に世を喞(かこ)ちて、秋ならぬ風に散りゆく露の命葉(いのちば)、或は墨染(すみぞめ)の衣(ころも)に有漏(うろ)の身を裹(つゝ)む、さては淵川(ふちかは)に身を棄つる
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
さみしさ凄さはこればかりでもなくて、曲りくねッたさも悪徒らしい古木の洞穴(うろ)には梟(ふくろ)があの怖(こわ)らしい両眼で月を睨(にら)みながら宿鳥(ねとり)を引き裂いて生血(なまち)をぽたぽた……
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
窟(うろ)にのぞんで焚(たき)たてしに熊はさらに出(いで)ず、窟(うろ)の深(ふかき)ゆゑに烟(けふり)の奥(おく)に至(いた)らざるならんと次日(つぎのひ)は薪(たきゞ)を増(ま)し山も焼(やけ)よと焚(たき)けるに
一年(ひとゝせ)四月の半(なかば)雪の消(きえ)たる頃(ころ)清水村の農夫(のうふ)ら二十人あまり集(あつま)り、熊(くま)を狩(から)んとて此山にのぼり、かの破隙(われめ)の窟(うろ)をなしたる所かならず熊の住処(すみか)ならんと、例(れい)の番椒烟草(たうがらしたばこ)の茎(くき)を薪(たきゞ)に交(まぜ)
無造作(むぞうさ)に突っ立った、相手の体構えに、不思議な、圧力が漲(みなぎ)っていたのだ。何十何百の、捕り方に囲まれても、一度も周章(うろ)たえたことのないような、不敵者の彼だった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
といって、子供の時は、まったく偶(たま)にしか見ることはなかったのですけど、それが、中学のなかば頃からは、殆んど毎夜のように夢の世界を彷徨(うろ)つき廻っていたのです。
歪んだ夢 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
あっちこっち烏路(うろ)ついた最後は、やっぱり川窪をたのむより仕方のない事になった。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
点々とその窪洞(うろ)に填(う)めながら、ギザギザに尖っている輪廓を、無数に空に投げ掛けている。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
殺され心顛倒(てんだう)して只(たゞ)其處(そこ)よ此所(ここ)と胡亂(うろ)つき居けるゆゑ町役人は叱(しか)り付(つけ)自身番(じしんばん)へと急(いそ)ぎけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しくしくと冷めたい酸(す)っぱい草の汁(しる)が虫歯の虚孔(うろ)に沁み入った。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
武士は白歯を覗かせてニッとばかりに笑ったが左右(そう)なく上っても行かないのは黐棹の先が渦巻き渦巻き両眼の間を迂乱(うろ)つくからで、心中窃(ひそ)かに驚いている。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
竹や水や古い蓆(むしろ)の破れたのなどが、いちめんに濃い陰影をつくって、そこにも鯉(こい)や鮒(ふな)や鯰(なまず)のようなものまで、一つずつの魚巣(うろ)に潜(もぐ)りこんで、れいの青い目でそとを眺めていました。
寂しき魚 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
頬(ほっ)ぺ叩いて見せてあげるわ、ね、ちっとも、お慍りにならないでしょう、あたいの言うこと何だって聞いてくれるのよ、いまにお池と魚洞(うろ)をつくってくださるお約束なの、おじいちゃま
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)