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うろ
ふりがな文庫
“
迂路
(
うろ
)” の例文
そんなことを
呻
(
うめ
)
きながら、
迂路
(
うろ
)
つきまわっている
中
(
うち
)
、源吉の頭の中には、何時の間にか、恐ろしい計画が、着々と組立られていた。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
その小鬼が、一晩じゅう雨に紛れてこの家のまわりを
迂路
(
うろ
)
ついていた——祖母は、それを自分のお葬式の
報
(
しら
)
せであると取りました。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
此邊
(
このへん
)
までは
能
(
よ
)
く
來
(
く
)
るのだ。
迂路
(
うろ
)
つき
廻
(
まわ
)
るので
既
(
すで
)
に三
里
(
り
)
以上
(
いじやう
)
歩
(
ある
)
いたに
關
(
かゝは
)
らず、一
向
(
かう
)
疲勞
(
ひらう
)
せぬ。
此時
(
このとき
)
既
(
すで
)
に
打石斧
(
だせきふ
)
十四五
本
(
ほん
)
を
二人
(
ふたり
)
で
拾
(
ひろ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「駄目だよ。お孃さまだつてお前さんに何もして上げることはないよ。今時分
迂路
(
うろ
)
つくなんて。ほんとにいやらしいことだよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しかし己はこんな事を書く積りで、日記を
開
(
あ
)
けたのではなかった。目的の
不慥
(
ふたしか
)
な訪問をする人は、
故
(
ことさ
)
らに
迂路
(
うろ
)
を取る。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
汽車は誠に縮地の術で、
迂路
(
うろ
)
とは思いながら時間ははるかに少く費用は少しの余計で行く路があって見れば、山路に骨を折る人の少なくなるのは仕方がない。
峠に関する二、三の考察
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「一旦ここを逃げてから、どこをどう
迂路
(
うろ
)
ついていたのか知らねえが、橋の上で若い侍と話していて、おれの足音を聞きつけると直ぐにまた逃げてしまった」
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
甚だしいソフィスチケーションの
迂路
(
うろ
)
を経由して偶然の導くままに思わぬ効果に巡り会うことを目的にして盲捜りに不毛の
曠野
(
こうや
)
を
彷徨
(
ほうこう
)
しているような気がする。
二科展院展急行瞥見
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
一方は
秀鶴頭巾
(
しゅうかくずきん
)
に夜寒と人目をさけつつ、水門尻の袋地を頻りと
迂路
(
うろ
)
ついている徳川万太郎。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此校
(
ここ
)
を出て、大学を出て、諸方を
迂路
(
うろ
)
ついている時に教えたのが、
此処
(
ここ
)
にいる速水君であります。速水君を教える時分は熊本で教員生活をしておった時で
漂泊生
(
ひょうはくせい
)
でありました。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
町外れから、曲り
拗
(
く
)
ねった路や、立木の暗い下を
迂路
(
うろ
)
ついて、与平治茶屋まで来た。ここで水を飲もうとすると、犬が盛に吠える、「誰だあ、やい」戸の中から寝ぼけ声が聞える。
雪中富士登山記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
牧師は自分の
住
(
すま
)
つてゐる界隈に、乞食が
迂路
(
うろ
)
つかうなどとは夢にも思はなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「この頃よく家ん前を
迂路
(
うろ
)
ついてる
女
(
ひと
)
じゃないか。どうしたっていうのさ……」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私の
親爺
(
おやじ
)
は天気のいいのに、二三日あちこち浮かぬ顔して、仕事にも出ずに、近所の親類なんかを
迂路
(
うろ
)
ついていたが(親爺は
日傭稼
(
ひやとい
)
であった。私の親爺は、なに一つ熟練した職業を知らなかった)
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
家
(
うち
)
の
人
(
ひと
)
の
機嫌
(
きげん
)
そこなうても
困
(
こま
)
りますと
迂路
(
うろ
)
/\するに、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
心
(
こゝろ
)
おごりて、
馬鹿婆
(
ばかばゝ
)
めが、
何
(
ど
)
のやうに
引割
(
ひきさ
)
かうとすればとて、
美尾
(
みを
)
は
我
(
わ
)
が
物
(
もの
)
、
親
(
おや
)
の
指圖
(
さしづ
)
なればとて
別
(
わか
)
れる
樣
(
やう
)
な
薄情
(
はくぜう
)
にて
有
(
あ
)
るべきや
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
PIMPの
元締
(
もとじめ
)
が映画的に活躍して、夜のピキャデリなんかを
迂路
(
うろ
)
ついてるぽっと出の女や、ボア・ドュ・ブウロウニュを散策中の若奥さまや
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
しかし、私は自然の欲求で、ひどく
病
(
や
)
み、弱り、痛められた。本能は私を食物にでもありつけさうな住宅の周圍を
迂路
(
うろ
)
つかせてゐたのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
どうしても
凝乎
(
じっ
)
としてはいられなくなって、あてもない道を、まだ肌寒い風に吹き送られ
乍
(
なが
)
ら、防風の砂丘を越えて、野良犬のように
迂路
(
うろ
)
つき廻るのであった。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
この際もし車掌がある一つの主義を偏執してたとえば大通りばかりを選ぶとするとそれを徹底させるためには時にはたいへんな
迂路
(
うろ
)
を取らねばならぬような事があるだろう。
物理学と感覚
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
どんな穴でも
上
(
のぼ
)
りならば好いとする。その代り下りなら引返して、また出直す事にする。そうして
迂路
(
うろ
)
ついていたら、どこかの
作事場
(
さくじば
)
へ出るだろう。出たら坑夫に聞くとしよう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「この頃よく家ん前を
迂路
(
うろ
)
ついてる
女
(
ひと
)
じゃないか。どうしたっていうのさ……」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
二里以上の
迂路
(
うろ
)
なり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
先程まで女の乞食が居りましたで——きつとまだ
迂路
(
うろ
)
ついてゐるかも知れません——おや、彼處に寢てるよ、起きろ! まあどうしよう、行かないか、畜生!
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『どうした、じゃないよ。病人がこの夜更けにどこを
迂路
(
うろ
)
ついてんだ、困るね——』
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
神田の真ん中に
迂路
(
うろ
)
うろしていて、そう釣りの出来るはずもない。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“迂路”の意味
《名詞》
遠回りとなる道。回り道。
(出典:Wiktionary)
迂
漢検準1級
部首:⾡
7画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“迂路”で始まる語句
迂路々々
迂路付
迂路鼠