“拗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
73.7%
すね5.0%
ねじ5.0%
こじ3.4%
ねぢ2.2%
ちぎ1.7%
しつ1.1%
ひね1.1%
ひし0.6%
0.6%
0.6%
くど0.6%
0.6%
しつこ0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
よぢ0.6%
ネヂ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少女は——少女もやっと宣教師の笑い出した理由に気のついたのであろう、今は多少ねたようにわざと足などをぶらつかせている。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると、私は退屈するから、平地へいちに波瀾を起して、すねて、じぶくッて、大泣に泣いて、そうしてお祖母ばあさんに御機嫌を取って貰う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
僅な松明の灯に照し出される岩肌は、穴の屈曲に従って ねじけたこぶをつけ 波打つひだを重ねる。岩室がぽっかり袋のように広くなったところもある。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「いや、そうお叱りなさるな。小児というものは、その時の調子でひょいとこじれることがあるもんですよ。まあ、あとで食べさせたらいいでしょう。」
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
逆ふのでございませう。で、潔い貴方と、ねぢけた私とでは、始からお話は合はんのですから、それでお話を為る以上は、どうぞ何事もお聞流ききながしに願ひます
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
阿父おとうさん、これちぎり立てのさくらなのよ。埃や毛虫の卵がくつ着いててもいけないから、一粒づつこの水で洗つて召しあがれよ。」
いずれ折をみて勘気は解いてやる心でおるが、おれのまえでも尊氏をかばい、ああしつこい諫言をするようでは今日の役には立たぬ。なんといたせ、ちと変り者だ。
しゅうとめの意地の悪い奴、叔母さんか御隠居さんかがって、ひねった事を云って、そうお茶をつぐからいけねえの、そうお菓子を盛てはいけねえ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
竿でその頭を𡥅せせるにかつて逃げ去らず。徐々そろそろと身を縮め肥えてわずかに五、六寸となって跳び懸かるその頭をひしげば死すとある。
或拗枝妄抛 或はえだりてみだりになげす
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
町外れから、曲りねった路や、立木の暗い下を迂路うろついて、与平治茶屋まで来た。ここで水を飲もうとすると、犬が盛に吠える、「誰だあ、やい」戸の中から寝ぼけ声が聞える。
雪中富士登山記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
何しろ、嫉妬焼きで、清元の師匠と、変だなんて言いがかりを為るのが余りくどいので、今夜もり倒して遣りました。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
そうひどく気もちをじらせたようにしてお帰りになったので、もう当分入らっしゃらないかも知れないと思っていたが、翌日になると
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
山の上では、また或る日しつこ麦藁むぎわらき始めた。彼は暇をみて病室を出るとその火元の畠の方へいってみた。すると、青草の中で、かまいでいた若者が彼を仰いだ。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
どうかすると声が引きぎられ、押し流されようとするのを、さうはさせまいと抵抗てむかひする、その張り切つた気持を楽しむもののやうに、一段と声を強めて
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
からだをじ向けたり、手を延ばして年寄が三世相さんぜそうを見るようにしたり、または窓の方へむいて鼻の先まで持って来たりして見ている。早くやめてくれないとひざが揺れて険呑けんのんでたまらない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かんひがみ、意地、かぬ気、疑惑、あらゆる弱点が、穏かな眼鼻をさんざんにもてあそんだ結果、こうねくれた人相になったのではあるまいかと自分は考えた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
記者も初め遠くから見た時は、大昔の美津良みずら式を復活させたものかと思ったが、近付いてよくよく見ると、髪毛とは全く別の感じを持った黒い固まりなので腹の皮がれた。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
その動力どうりよくつね石油發動力せきゆうはつどうりよくにあらずば、電氣力でんきりよくさだまり、艇形ていけい葉卷烟草形はまきたばこがたて、推進螺旋スクリユーつばさ不思議ふしぎよぢれたる有樣ありさまなど、いつもシー、エヂスン氏等しら舊套きゆうとう摸傚もほうするばかりで
好意を持つもの同士の間に、其でもくり返さねばならぬ疑ひ、ネヂけごと。さうしてやがて、とり返されぬ破局への突進。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)