“執拗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しつよう54.9%
しつこ22.3%
しつあう7.2%
しつえう2.8%
しゅうね2.3%
ひつこ1.8%
しつ1.5%
しつッこ1.0%
しつっこ1.0%
しつおう0.5%
しつこい0.5%
しつこく0.5%
ひねく0.5%
かたくな0.3%
くど0.3%
ごうじよう0.3%
しうね0.3%
しっつこ0.3%
しつつこ0.3%
しつッこい0.3%
しふね0.3%
しゅう0.3%
すね0.3%
ねぢく0.3%
むやみ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するとその中の幾匹かが、これは湛(たま)らないと言ったふうに、大急ぎで逃げ出した。けれども未(ま)だその大多数は執拗(しつよう)に喰い付いていた。
首を失った蜻蛉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「何とでも考えたらいいじゃないの……イクラ云ったってわからない。どうしてソンナに執拗(しつこ)くお聞きになるの。下らない事を……」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは、若松屋の妾お扇は、名題の『小便組』だといふ噂を、執拗(しつあう)に小意地惡く言ひふらした上、町の惡童共に菓子などをやつて
(前略)不運は何故(なぜ)かくまで執拗(しつえう)に余に附纏(つきまと)ふことに候や。今春は複々(また/\)損失、××銀行破産の為め少しばかりの預金をおぢやんに致し候。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、眼を、眼球(めだま)が眶(まぶた)の外へ出そうになるほど、見開いて、唖のように執拗(しゅうね)く黙っている。
羅生門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「うちは疾(と)うからその関係を断ちたい思うてたのんやわ。向うが執拗(ひつこ)うて、勝手に附き纏(まと)うてたんやもん、義理どころやあれへん、迷惑してるぐらいやわ」
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ねえ支倉君、僕にはレヴェズの壮烈な姿が、絶えず執拗(しつ)っこくつき纏(まと)っているのだがね。あの男の心理は、実に錯雑をきわめているのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
和歌を肴(さかな)に飲んだのが思いの外利(き)いて来て、可なり正体がなくなっていたから、ひとしお執拗(しつッこ)く掻き口説(くど)いたり、甘っ垂れたり、有頂天(うちょうてん)になったりした。
むしろこのごろは毎日、九州の飛行場を爆撃に来るという執拗(しつっこ)さ、熱心さである。わが特攻隊の出鼻を挫(くじ)かんためであることはいう迄もない。
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もし運命が許したら、私は今日(こんにち)までもやはり口を噤(つぐ)んで居りましたろう。が、執拗(しつおう)な第二の私は、三度(さんど)私の前にその姿を現しました。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
執拗(しつこい)ようでは御座いましたが今一度念のために「ヘエー。そのようなものを誰が差し上げました」と尋ねますと、又も穴のあく程、私の顔を凝視(みつめ)ておられました若旦那様は、やがて又
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
も少し剛情にさ、執拗(しつこく)さ、気ながな方を奨励したいと思うね。それでわが輩——わしはこんな歌を詠んだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
彼家(あそこ)じゃ奥様(おくさん)も好い方(かた)だし御隠居様も小まめにちょこまかなさるが人柄(ひと)は極く好い方だし、お清様(さん)は出戻りだけに何処(どこ)か執拗(ひねく)れてるが
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かれ物言はで逃去りぬ、此時我は怒り滿々(みち/\)し一のチェンタウロ、何處(いづこ)にあるぞ、執拗(かたくな)なる者何處にあるぞとよばはりつゝ來るを見たり 一六—一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「そのあげくに執拗(くど)く申せば、……」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれども、性来執拗(ごうじよう)な銀は、折角の好意(こころ)も水の泡にしてしまつて、きつぱりその親切を、はねつけた。小気味よく承知しなかつた。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
兩手(りやうて)をわなわなふるはせて、肩で息(いき)を切りながら、眼を、眼球(がんきう)が眶(まぶた)の外へ出さうになる程、見開いて、唖のやうに執拗(しうね)く默つてゐる。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
Mr. O'Grieミスター・オーグリー あなたは、紳士にも似ず執拗(しっつこ)いですね。さっきは、僕の生家もなにも訊(き)かないと、約束したくせに……。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
西洋の子供も、自分達が何處から生れて來たかを訝かしがつて、執拗(しつつこ)く問ひただしては母親を困らせるさうである。
貝殻追放:016 女人崇拝 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
それが宜(よ)うございましょう。そうして御約束の御褒美は。「家へ行ってから与(や)る。「間違ませんか。「大丈夫だ。「きっとでしょうね。「ええ、執拗(しつッこい)な。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さしうつむきて考へゐたれど身をしる雨はあひにくにはふり落ちて、義父に万事を語らひ顔なり。されどお糸は執拗(しふね)き夫のとても一応二応にて離縁など肯はむ筈はなし。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
執拗(しゅう)ねく問わるることの蒼蝿(うるさ)くて、口に出づるまま、あらぬことをも答えけるに、その人大いに驚きたる様子にて、さては藤井氏の親戚なりし乎(か)、奇遇というも愚かなるべし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ちつとやそつとの優(やさ)しい言葉(ことば)ぐらゐでは動(うご)きさうにもなく執拗(すね)ぬきしほどに、旦那(だんな)さま呆(あき)れて手(て)をば引(ひ)き給(たま)ふ、まだ家内(うち/\)に言葉(ことば)あらそひの有(あ)るうちはよきなれども、物言(ものい)はず睨(にら)め合(あ)ふやうに成(な)りては
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
知(し)ってゐやる通(とほ)りの、執拗(ねぢく)れた、此(この)罪深(つみふか)い心(こゝろ)を、神樣(かみさま)に赦(ゆる)して貰(もら)ふため、いろ/\とお祷(いのり)をせねばならぬ。
頭の中にはもう一片の空想も芽ぐむ余地がなかった。ことに局部の痛みと手さきの冷たさとは全身の調子をひどく不愉快にした。その上、何となく不吉な予感が、彼の心を執拗(むやみ)に蝕ばむのである。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)