“彼家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あすこ61.4%
あそこ13.6%
あちら4.5%
あのいえ4.5%
あれ4.5%
かしこ4.5%
かのいえ2.3%
かのいへ2.3%
かのや2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……叔父さん。いくら僕が電話好きでもこれじゃトテモ遣り切れませんよ。済みませんが彼家あすこにも電話を引いて下さいナ」
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼家あそこじゃ奥様おくさんも好いかただし御隠居様も小まめにちょこまかなさるが人柄ひとは極く好い方だし、お清さんは出戻りだけに何処どこ執拗ひねくれてるが
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
只今彼家あちらの奉公人が参りまして、お千代どんが皿ア割っただ、われ受人だアからなんぼ証文通りでも断りなしにゃア扱えねえから、ちょっくら届けるから、立合うがいと云って来ました
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
非常手段で娘を奪略しても隠家かくれがに困ることだ、そこで案内社へ随分高い金を掴ませて到頭迅雷的に彼家あのいえを買ってしまったものだ、弟と同じ家に置くのは困るからね
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
へえゝ……くろうまけましたな、成程なるほどらしい色で……れは。近江屋「彼家あれ宮松みやまつといふ茶屋ちややよ。梅「へえゝ……これは甃石しきいしでございませう。近江屋「おや/\よくわかつたね。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
遊びにきし時、その理由わけ問いたるに、何ゆえというにはあらず、飽きたればなりとのたまう。されど彼家かしこなる下婢かひの、ひそかにそのまことを語りし時は、稚心おさなごころにもわれ嬉しく思いみぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
為に欝を忘れ、喰気しょくけは追々増加して、一層の快を覚えたるを以て、彼家かのいえを去るに至れり。爾後は漸次に喰量を増し、食後の胃痛も無くして、心身復常せり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
むかしわれ蒼海とともに彼幻境に隠れしころ、山に入りて炭焼、薪木樵たきゞこりわざを助くるをこよなき漫興となせしが、又た或時は彼家かのいへの老婆に破衣やれぎぬを借りて、身をやつしつ炭売車すみうりぐるまあときて
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人なる蝋に印をす諸〻の天の力は、善く己がわざを爲せども彼家かのや此家このや差別けじめを立てず 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)