“此家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ50.0%
こゝ19.8%
このや9.2%
こちら7.3%
うち2.7%
このうち2.3%
このいへ1.9%
このいえ1.5%
これ1.5%
こっち0.8%
こヽ0.8%
こけ0.4%
このいゑ0.4%
こん0.4%
0.4%
ここんち0.4%
ほゝ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此家ここへお茶漬お艶が、近江屋を虐めた帰り毎夜のように立廻ることを見極めたのは、たしかに葬式彦兵衛が紙屑買いの拾物ひろいものであった。
かね此家こゝに居る頃、三七を殺すつもりで仕掛けて置いた、はりの上の鐵砲の火皿に、火をつけた線香を立てて、素知らぬ顏をして歸つた
「ありふれたとりかぶと、此家このやの庭にも、昨年の秋は紫の花を澤山咲かせてゐたが、あの花の根に猛毒のあることは誰でも知つて居る」
それから老女おばさん、いて後、此家こちらへ連れて来て戴いたのですがネ、あの土橋を渡つて烏森の方を振り返つて見た時には
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
道子はすがれるあねたもとを引き動かしつつ「あたしうれしいわ、姉さまはもうこれからいつまでも此家うちにいるのね。お道具もすっかり来てよ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
お前さんがそんな賤しい仕事をしてる為にわたしは貴婦人に交際つきあひが出来ないぢや無いの。わたしはもうお前さんに愛憎あいさうが尽きたから此家このうちを出てきます。
金剛石 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
積薪せきしんひそかあやしむ、はてな、此家このいへ納戸なんどにはよひからあかりけず、わけて二人ふたりをんな別々べつ/\へやはずを、何事なにごとぞとみゝます。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「貴様は黙っておれと申すに! 妙……と申したな、今に此家このいえに血の雨が降るから、長庵坊主にクッ着いて早速引き取れ」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
織「あ此家これだ、喜六一寸ちょっと其の玄関口で訪れて、松蔭大藏様というのは此方こなたかと云って伺ってみろ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
久「おら此家こっちの旦那の身寄りだというので、みんなに大きに可愛かわいがられらア、このうち身上しんしょうは去年から金持になったから、おらも鼻が高い」
此家こヽにも學校がくかうにも腦病なうびやう療養れうやう歸國きこくといひて、たちいでしまヽ一月ひとつきばかりを何處いづくひそみしか、こひやつこのさても可笑をかしや、香山家かやまけ庭男にはをとこみしとは。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此処なうちへ来て芸妓げいしゃねえって皿小鉢をほうって暴れるので、仕方がねえから、わし用があって此家こけえ来て居りやんしたが、見兼て仲へ這入った処が、わし胸倉アるから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此家このいゑをばいゑとおもふべからず、立歸たちかへらるゝものおもふな、つみはおのづからりたるべし、はやて、とあるに、れはあまりのお言葉ことばわれわることあらばなにとて小言こごとたまはぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やっこ、黙って漕げ、何ともするもんじゃねえッて、此家こん兄哥あにやが、いわっしゃるで、どうするもんか。おらかがんでな、そっとその火を見てやった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まアまアなにしろみなしに雪がつては為方しかたがない、此家檐下のきした拝借はいしやくしようか……エーう日がれたからな、一倍いちばい北風きたかぜが身にむやうだ、ばうは寒くはないか。
「お前が行かないって言うならいいとしてね。お前もすこし考えてごらん。此家ここんちへ来たら此処ここの家のものですよ。そんなにしげしげ実家へゆくと世間の人が変に思いますからね。」
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」