“妾”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
めかけ43.8%
わたし28.0%
わらわ5.3%
あたし4.7%
わたくし4.4%
しょう3.9%
わらは1.4%
てかけ1.2%
わし1.2%
せふ0.6%
(他:38)5.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“妾”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語17.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
人殺しをしたある兇徒きょうとめかけが、ここにいたことがあるという話が、近所の人の口から、お銀の耳へじきに入った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「おっかあ、粕谷の仙ちゃんのおめかけの居たうちに越して来た東京のおかみさんがとおるから、出て来て見なァよゥ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「お前さんは……お前さんは……この小抽出しに何を入れておんなさったのかえ……わたしに隠して……一口も云わないで……」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたしのせいじゃなかったか知らん。男ってものは時々他所よそへ泊らせないと、いけないものかも知れない」……と……。
奥様探偵術 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わらわは此の浜崎といふ処に、くれなにがしといふ家の一人娘にて六美女むつみじょと申す者にはべり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
【昨夜わらわは夢みたりき。山二つ響き高鳴りてこうべに落ち、もはや汝が姿を見るあたわざりき】
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「先生、先生——あたしですよ、開けて下さいな、太十が酔つぱらつて厭らしいことばかり云ふんですもの、逃げて来たわ……」
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「何よ用談があるって。あたしにそんなむずかしい事が分りゃしないわ。それよりか向うの御座敷の三味線でも聞いてた方が増しよ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたくし、さっき、あなたの胸へ、一生懸命すがり付きましたわね。その時よっく計りましたのよ。ええあなたのお体をね」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お父様! お願ひでございます。どうか、わたくしをないものと諦めて、わたくしの思ふまゝに、させて下さいませ!」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
多年渋江氏に寄食していた山内豊覚やまのうちほうかくしょうまきは、この年七十七歳を以て、五百の介抱を受けて死んだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
地方から来る代議士が議会の開期間東京でしょうかかえるというような事は今は何人なんぴとも見て怪まないほどになった。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
そのあくる朝早く、父上は吾が身の行末を頼む由仰せ残されて四国へ旅立ち給ひぬとて、ひたすらに打泣くわらはをいたはり止めつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いかなればわらはは初め君を知る明なくして、空想に耽り實世じつせうとき、偏僻へんぺきなる人とは看做みなしたりけん。
ありゃあお前、番町のさる旗本の一のおてかけさんだが、殿の乱行を苦に病んでああもお痛わしく気が触れなすったなどと真実まことしやかに言い立てる者もあれば、何さ
由「えゝわたくし……あの、ヘヽヽ私が何もソノてかけにしたと云う訳でも何でもないので、私は只此の旦那のうちへ時々出這入って御用事を伺うだけの事でげすから、ヘヽヽ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何を申す怪しい女子! かく申すこのわしこそ秋篠局のお末頭、其許そもじのようなお末は知らぬ」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ろくでなしの和郎わろめが!……(ロミオに對ひて)もし/\、貴下こなたさまえ、最前さいぜんまうしましたが、わしひいさまが
「嘗游于藝華時。妾挙一男二女。男曰善直。多病不能継業。二女皆夭。」錦橋の子を問へば、其せふを併せ問はざることを得ない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
推するに霧渓二世瑞仙の所謂「嘗游于藝華時、妾挙一男二女、(中略)二女皆夭」の文中、せふと一男とは虚で、二女は実であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
(しかし、……やがて知事のおもいものになった事は前にちょっと申しました。)
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
知事のおもいものとなって、家を出たのは、その秋だったのでありました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「不貞? ——そうかな。お稲はもと、甲府のやなぎ町へ、江戸から流れて来た旅芸者、それを鮎川の親分仁介が、根びきをした持ちものだと——おれは聞いたが」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お喜代の手を抱くように握って云った。お喜代は、なぜなのか、その手を急にぎ離したくなった。ふだん何とも思っていない露八が、恋しくなって、かこわれものの身がしみじみといやになった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたいにこのお子を四、五年預けておくれやす、きッと物にしてお目にかけます。」と太夫は言っていたが、父親はこんな無器用なものには、芸事はとてもダメだと言って真面目に失望した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あたいじれったくなってよ。」
百合の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二十六のとしに、ころ近國きんごく知事ちじおもひものりました……めかけとこそ
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(しかし、……やがて知事ちじおもひものつたことまへ一寸ちよつとまをしました。)
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みな進め! きたねえ血でどぶをいっぱいにしろ。俺は国のために身をささげてるんだ。もうおんななんかには会わねえ、ねえ……うん……そうだ、会わねえ。だがかまわねえ、さあおもしれえぞ。
「さあて。三男やら、四男やら、そのほどはわきまえぬが、良持の子とは、国香の状にもあった。多分、そとおんなの子でもあろうか。ともあれ、鈍な子と、国香の添え状にも、ことわりのあった者じゃ。何か、粗相をしたなら、ゆるしてやれい」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後にわかったのは、薬研堀やげんぼりにいたひとは、日本橋区堀留ほりどめの、杉の森に住んでいた堅田かただという鳴物師なりものしの妹だった。
それは違うわ、せんひとはああしたひとでしょう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「おやおやおや、誰が噂をしたのだろう。わたしはたしか嚏をしないのに、外に誰がしたというのだろう。はてナ……」
空気男 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
「……イイエ……お神さんが負うて帰らっしゃったかと思うて……わたしゃ……」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しないばかりなら、よかつたんだが、何かの拍子ひやうしに「市兵衛いちべゑさんお前わちきれるなら、命がけで惚れなまし」つて云つたんださうだ。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わちきア見ていて総毛立ちいした。殺生なひとでありんすねえ。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ふうやん、今阿弥陀様お通りや。わてに来い言うて招いてお居やすよつて、妾一寸行つて来まつさ。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
貴方あんたはん、また雷鳴かみなりどつせ。どないしまほ、わてあれ聞くと頭痛がしまつさ。」
ショウガ髪初メテヒタイオオ
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……ショウガ髪始メテヒタイヲ覆ウ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれ後にはな佐久夜さくや毘賣、まゐ出て白さく、「はらみて、今こうむ時になりぬ。こは天つ神の御子、ひそかに産みまつるべきにあらず。かれまをす」とまをしたまひき。
全体御前は誰だい。長吉ちょうきちだ? 長吉なんぞじゃ訳が分らない。お神さんに電話口へ出ろって御云いな——なに? わたくしで何でも弁じます?——お前は失敬だよ。あたしを誰だか知ってるのかい。金田だよ。——へへへへへ善く存じておりますだって。ほんとに馬鹿だよこの人あ。——金田だってえばさ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あたしには地味過ぎていやだから御前に上げようとおっしゃった、あれでございます」「あらいやだ。善く似合うのね。にくらしいわ」「恐れ入ります」「めたんじゃない。にくらしいんだよ」「へえ」「そんなによく似合うものをなぜだまって貰ったんだい」「へえ」「御前にさえ、そのくらい似合うなら、あたしにだっておかしい事あないだろうじゃないか」「きっとよく御似合い遊ばします」「似あうのが分ってる癖になぜ黙っているんだい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あたきには立派な背後立うしろだてがありますから、この近江屋を今に根こそぎ貰い返してくれますとさ。まま大きな眼で御覧じろ——。」
「あれ見しゃんせ。この近江屋さんはあたきの店でござんす——。」
「よう、お来なはつたえ、なあ、」と伯母も口を添へて、「車夫くるまやが金沢のお客さんや言ふよつてな、あてお断りどす言ふとな、此の子が能登の浅次郎や言ははるんやらう、変どしたけどな。」と姉に説明した。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
ここにわたの神の女豐玉とよたま毘賣の命、みづからまゐ出て白さく、「あれすでに妊めるを、今こうむ時になりぬ。こを念ふに、天つ神の御子、海原に生みまつるべきにあらず、かれまゐ出きつ」とまをしき。
ここに豐玉とよたま毘賣の命、その伺見かきまみたまひし事を知りて、うらやさしとおもほして、その御子を生み置きて白さく、「あれ、恆は海道うみつぢを通して、通はむと思ひき。然れども吾が形を伺見かきまみたまひしが、いとはづかしきこと」とまをして、すなはち海坂うなさかきて、返り入りたまひき。
女髪結の出入先でいりさきに塚山さんといって、もと柳橋やなぎばし芸者げいしゃであったおおめかけさんがあった。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これで見ると、真淵は四人説で、人麿が妻の死を慟んだ時のは一人はおもひめ、一人は正妻むかひめと考へてゐる。
人麿の妻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
それから石見から別れて来た妻は、石見で得たおもひめで、その時の正妻は依羅娘子で、これは京に止まつてゐた。
人麿の妻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
今一つは志摩郡の百姓に盗をして召し取られたものがあつて、それが十太夫のせうの兄と知れて放されたのである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
年へしティトネのそばめそのうるはしき友のかひなをはなれてはや東のうてなしらみ 一—三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれ天皇の使はせるみめたちは、宮の中をもえのぞかず、言立てば、足も足掻あがかに妬みたまひき。
次に五百木いほき入日子いりひこの命、次に押別おしわけの命、次に五百木いほきいり日賣の命、またのみめの御子、豐戸別とよとわけの王