“芸者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げいしゃ63.2%
おんな5.3%
それ5.3%
それしゃ5.3%
つとめ5.3%
はおり5.3%
キモノ5.3%
ゲイシャ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葉子は心の奥底でひそかに芸者げいしゃをうらやみもした。日本で女が女らしく生きているのは芸者だけではないかとさえ思った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
芸者おんなは、私の微笑ほほえんでいる顔を見て笑い笑いいう。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
いつであったか、久しぶりに柳沢の家をのぞいて見ると玄関に背の高い色の白い大柄な一目に芸者それと見える女がいて、お召の着物に水除みずよけの前掛けをしてランプに石油をいでいた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
衽下おくみさがりにその繰伸くりのばした手紙の片端を、北斎が描いた蹴出けだしのごとく、ぶるぶるとぶら下げながら出た処は、そんじょ芸者それしゃの風がある。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
義理から別離わかれ話になると、お蔦は、しかし二度芸者つとめをする気は無いから、幸いめ組の惣助そうすけの女房は、島田が名人の女髪結。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武士、町人、鳶ノ者、折助おりすけ婢女げじょ田舎者おのぼりさん、職人から医者、野幇間のだいこ芸者はおり、茶屋女、女房子供——あらゆる社会うきよの人々が、忙しそうに又長閑のどかそうに、往くさ来るさしているではないか。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先刻さつきから三人で落合つて、芸者キモノ抜きで酒をみ始めたんだが、S君が僕に人間つてものは面白いものだつて云ひ出してね、この見れば見る程面白い人間つてものを、縦横自在に楽しまうぢやないか。
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
芸者ゲイシャ』という芝居の初日なのである。彼はそれを思い出したので劇場へ出掛けて行った。