“長閑”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
のどか89.5%
のど6.9%
のどけ2.0%
ちょうかん0.7%
のどやか0.3%
のんき0.3%
ノドカ0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今まで長閑のどかそうにかかっていたたこの影もいつか夕鴉ゆうがらすの黒い影に変わって、うす寒い風が吹き出して来た。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ようやく生き残って東京に帰った余は、病に因ってわずかにけえたこの長閑のどかな心持を早くも失わんとしつつある。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
——しかし、舟と人とは、うらうらと、さも長閑のどけきみちのように、雲の影のうつっている静かな水面を漕ぎすすんでいた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして御台の無心らしい微笑ほゝえみや長閑のどかな笑いごえの底にも、じっと感情を押し殺している跡が見え
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
市街まちからは遠い春の午後ひるすぎ長閑のどけさは充分に心持こゝろもちよくあぢははれた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
チャンチキ、チャンチキ、田舎の小春の長閑のどけさよ。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一 陣貝 長坂長閑ちょうかん
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとき彼のまわりには、ことし十六になる嫡男の太郎信勝だの、宿将真田昌幸さなだまさゆき、小山田信茂のぶしげ、長坂長閑ちょうかんなどもいて、何か評議中らしかったが、茅村ちむらつぼねが立ちかける前に、信勝は、つと進んで、
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
知らず知らずいかにも長閑のどやかな心になってしまうのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この広い家に年のいかないもの二人きりであるが、そこは巡査おまわりさんも月に何度かしか回って来ないほどの山間やまあい片田舎かたいなかだけに長閑のんきなもので
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「さやけく」は「さやか」から出た語で、「明らか」「長閑ノドカ」「遙か」から出来た「明らけし」「長閑ノドけし」「遙けし」などと同じ種類のものですが、かような「カ」から転じた「ケ」は皆乙類の仮名を用いる例であります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)