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余寒
これ
余寒の暁に雨のみじかくやみたる
気運の
機工を
得てかゝる
奇景を見たるなりとて、
珍しがりてかたられしが、
暖地にてはめづらしくもあるべけれど
今と違って
若春は
余寒も強く、松の内は
夜に
入ると人ッ子一人通りませんから
寂として居りまして、往来はぱったり有りません。日光
颪がビー/\と吹来る。
時候は立春、
暮春、
余寒、
暖、
麗、
長閑、
日永の類をいふ。人事は
初午、
二日灸、
涅槃会、
畑打、
雛祭、
汐干狩の類をいふ。天文は春雪、雪解、春月、春雨、霞、
陽炎の類をいふ。