“如月”の読み方と例文
読み方割合
きさらぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たとは迂哉おろか。今年如月きさらぎ、紅梅に太陽の白き朝、同じ町内、御殿町ごてんまちあたりのある家の門を、内端うちわな、しめやかな葬式とむらいになって出た。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
如月きさらぎ初めの風は、ひょうひょうと葦の穂に鳴り、夕方、こぼれるほど落ちたあられが、野路にも、部落の屋根にも、月夜のような白さをきらめかせている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松本は信濃しなののくにでも低い土地であるが、北がわにのしかかる信濃丘陵から雪をまじえて吹きおろす風のために、霜月から如月きさらぎまで寒さはかくべつきびしかった。
日本婦道記:藪の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)