“晩秋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそあき44.4%
ばんしゅう33.3%
ばんしう16.7%
あき5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晩秋おそあきの晴れた一日ひとひが、いつか黄昏たそがれて、ほんのりと空を染めていた夕映ゆうばえも、だんだんにうすれて行く頃だ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
夕食後、いつものようにこの居間にこもって、見残した諸届け願書の類に眼を通し出してから、まださほどときが移ったとも思われないのに、晩秋ばんしゅうの夜は早くける。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
Kさんのその時分じぶんうたに、わがはしやぎし心は晩秋ばんしう蔓草つるくさごとくから/\と空鳴からなりするといふやうなこゝろがあつたやうにおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
呆然ぼんやり縁側に立って、遠くの方を見ると、晩秋あきの空は見上げるように高く、清浄きれいに晴れ渡って、世間が静かで、ひいやりと、自然ひとりでに好い気持がして来る。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)