“冷”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひや22.8%
つめ15.8%
13.4%
つめた12.5%
9.8%
ひやや8.0%
2.8%
ひえ2.1%
ひやゝ2.0%
さま1.9%
(他:78)8.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“冷”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)10.8%
文学 > 日本文学 > 詩歌9.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
雨よ、この燃える思をひややかに、亂れた胸をたひらかに、このさし伸べたねつの手をすずしいやうにひやせかし。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「貴方そんな事を有仰おつしやらずに、まあ召上つて御覧なさいまし。折角わたくしひやして置きましたのですから」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼等かれらきまつたなんはなしつてないのにこゝろよくつめたいつちすわつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところがいくら見ていても、そのそらは、ひる先生のったような、がらんとしたつめたいとこだとは思われませんでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
夏に銅のつぼに水を入れ壺の外側そとがわを水でぬらしたきれでかたくつつんでおくならばきっとそれはえるのだ。
やりとした地下室のやうな空氣が、寂しく廣い家の陰氣さを思はせるやうに、階段にも、廊下にも、瀰漫びまんしてゐた。
私は彼のカラーをはずして顔の上につめたい水を注ぎかけ、そして長い自然な呼吸をするようになるまで、彼の腕を上下した。
胴抜どうぬきは絞つたやうな緋の竜巻、しもに夕日の色めたる、胴裏どううらくれないつめたかえつて
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今朝けた佐倉炭さくらずみは白くなって、薩摩五徳さつまごとくけた鉄瓶てつびんがほとんどめている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕のめ果てた魂は、己の生命の血、そのものをあえて賭けずにおられなかったのではあるまいか。次のように書いてみよう。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
自分が彼女に兄の健康状態を聞いた時、彼女は人間だからいつどんな病気に罹るかも知れないとひややかに云って退けた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さるにてもなほものありげにわが顔をみつつくが、ひややかにあざけるが如くにくさげなるぞ腹立はらだたしき。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
がけの中途に乱生しためたい草の株をつかむたんびに、右手の指先の感覚がズンズン消え失せて行くのを彼は自覚した。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
冬の海風がめたかろうと出てみると触る風の和やかさ! 南へ来てよかったな、旅で充実を感じたまれな経験だった。
流浪の追憶 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ぬくとくつてえゝ鹽梅あんべえだ、ひえさせちやえかねえ」かれ掛蒲團かけぶとんをとつぷりふたした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その上には日月星辰が晴れやかにめぐりめぐっております。その下には地球が刻々に零下二百七十四度に向ってひえて行きつつあります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そらえたつき放棄はうきしてある手水盥てうづだらひのぞいてはひやゝかにわらうてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
心靜こゝろしづかにえていろなきくちびるにはひやゝかなるみさへうかかびぬ。
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
仏蘭西フランスの其れは画家の詩でも音楽でもなく、画家の印象をさまして装飾画化してく嫌ひのあるのを不満に思ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
新「お園どんお薬が出来たからお飲みなさい、あんまさますときかないから、丁度飲加減を持って来たが、あとは二番を」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのおもての色は惨として夕顔の花に宵月のうつろへる如く、そのひややかなるべきもほとほと、相似たりと見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ひややかすさまじ朝寒あささむ夜寒よさむ坐寒そぞろさむ漸寒ややさむ肌寒はださむしむ
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
なかあそびのみちすずしきは酔哭ゑひなきするにありぬべからし (同・三四七)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
暗い庭の方へ向いた部屋には、叔父がすずしい夜風の吹入るところを選んで、ひとり横に成っていた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「此の猫だツて、誰かに可愛がられて、鼠を踏んまへてうなツたことがあるのだ……ふゝゝゝ。」と無意味に、ひやゝかに笑ツて、
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それぢや、これからもう、家が淋しいのひやゝかだのと有仰おつしやらないで下さいまし。無能力な動物に何も出來やう筈がございませんわ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
茶の間では、すッくとち上った喬之助が、手早く帯を締め直している。いつの間に抜き放ったのか、れい々たる九寸五分を口にくわえて。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
れいですよ、かんではごはせんよ——地親ぢやうやさんは是方こつちでいらつしやるから。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その翌朝早く姉妹きやうだいは身仕度し、子供等にも単衣ひとへを着更へさせ、婆やに留守を頼んで置いて、すゞしいうちに家を出た。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
真ツ白な、露はな胸にすゞしさうな首飾りを滝は、見た。
山を越えて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
女「お茶はつめとうございますが、ナニ沢山買って下さらないでも、潰れただけの代を下さればようございます」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……広い廊下は、霜のようにつめとうして、虚空蔵の森をうけて寂然じゃくねんとしていた。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大正元年暮の二十九日、雪の黄昏を眺めた私の心のやるせない淋しさ——それは世界を掩うて近寄り来る死の蔭のひいやりとしたあゆみをわれ知らず感じたのでした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ただ、その中をかい間ぐって、ときおり妙にひいやりとした——まるで咽喉のどでも痛めそうな、苦ほろい鹹気しおけが飛んでくるので、その方向から前方を海と感ずるのみであった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
昼間は鉄のなべで煮上げたような砂が、皆ずぶずぶにれて、ひやっこく、宛然さながら網の下を、水がくぐって寄せ来るよう
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ひやっこい大戸の端へ手を掛けて、目ばかり出して……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夕風がヒヤついて参ります。内へと遊ばされ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夕風がヒヤついて參ります。内へと遊ばされ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
平三は今妹に頼まれてから七八行も読んだ後に漸く立つて台所へ行つて、炉にかゝつて居る鉄瓶から湯沸に沸きざましを移した。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
と込上げ揉立もみたて、真赤まっかになった、七てんとう息継いきつぎに、つぎざましの茶を取って、がぶりと遣ると、
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな事とは知らないから前に命ぜられた社員は着々進行してざ実現しようとなると、「アレはやめにした、」とケロリとました顔をしている。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
自分の物だからといって多年辛苦をともにした社員をスッポかして、タダの奉公人でも追出すような了簡りょうけんで葉書一枚で解職を通知したぎりでましているというは天下の国士を任ずる沼南にあるまじき不信であるというので
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ひと鉢の草の花だにすゑなくに昼すさまじく師をやらふとす
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あきすさまじきかげ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
そして呆れている私の顔を見て、せせら笑っている警官の手には何と、誰が封を切ったものか私から蕗子に宛てて投込なげこんだ手紙が握られていました。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
そうして、あたし達を突きのけて、跣足はだしで表へ駈け出してしまいました。旦那は平気でせせら笑って、あいつは陽気のせいでちっと取り逆上のぼせているのだ。
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おどすのかひやかすのかソンな事までいって母をなぶって居たと云うような事で、れも時節がらで我慢してだまって居るよりほか仕方しかたがないとして居ながら
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かつて彼が使っていた若者をひやかしながら、
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「この部屋は、これからでもひんやりしてゐていゝでせうね? 建前の工合でせうか。」と、おかみさんが仰る。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
おくみはその間に通りの髪結さんのところへ行つて、朝の内に来て貰ふやうに頼んで来る積りで、そこの押入を開けて懐中鏡を立てて、ひんやりした蚊帳の色のすが/\しい青さに彳みながら、そこらへ出るにもあんまりな、鬢のあたりを掻き上げた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
此の怨み晴れやらぬものと思へと狼の吠ゆるが如くめき立つるを、何を世迷言よまひごと云ふぞ、とあざ笑ひつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
奥様が花やかな御風俗おみなりで御通りになる時は、土壁の窓から眺め、障子の穴から覗き、目と目を見合せていやな笑いかたを為るのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「違ったか。雪や氷、おべたい氷よ。そら水の上にチョンなんだ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前に向へば風さむし。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
さめないうちにおひよ、おわんを。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)