“冷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひや22.0%
つめ16.1%
13.6%
つめた12.5%
9.2%
ひやや7.8%
2.5%
ひやゝ2.1%
ひえ2.1%
さま1.9%
ひややか1.5%
すず0.9%
0.8%
ひやゝか0.7%
さめ0.6%
すゞ0.5%
れい0.5%
つめと0.4%
ひん0.3%
ひい0.3%
ひやっ0.3%
ヒヤ0.3%
0.2%
ざま0.2%
すさ0.2%
せせ0.2%
つめたき0.2%
つめて0.2%
ひやか0.2%
0.1%
コールド0.1%
0.1%
あざ0.1%
いや0.1%
おべた0.1%
さむ0.1%
しべ0.1%
しゃ0.1%
すさまじく0.1%
すずし0.1%
すま0.1%
つべ0.1%
つべた0.1%
はっ0.1%
ひやし0.1%
ひやつ0.1%
ひやツこ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、軽く膝をいて、蒲団ふとんをずらして、すらりと向うへ、……ひらきの前。——此方こなたに劣らずさかずきは重ねたのに、きぬかおりひやりとした。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東の仙人峠せんにんとうげから、遠野とおのを通り土沢つちざわぎ、北上山地を横截よこぎって来るつめたい猿ヶ石さるがいし川の、北上川への落合おちあいから、少し下流かりゅうの西岸でした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
私共の村から夏の夕食後に一寸九段下あたりまで縁日をやかしに往って帰る位何の造作ぞうさもなくなったのは、もう余程以前の事です。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かぜつめたさわやかに、町一面まちいちめんきしいた眞蒼まつさを銀杏いてふが、そよ/\とのへりをやさしくそよがせつゝ、ぷんと、あきかをりてる。……
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
片腕のないところもまたおつでしょうけれど、あの男が片腕をなくしたわけを聞いてしまったらお前さん、三年の恋もめるでしょう。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小親きて、泣く泣く小六の枕頭まくらもとにその恐しきこと語りし時、かれ剛愎ごうふくなる、ただひややかに笑いしが、われわれはいかに悲しかりしぞ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その広々とした部屋の隅に、まるでめたさに吹き寄せられたようにして一つの卓子と数脚の椅子いすらしい破れたものが置かれてある。
(新字新仮名) / 坂口安吾(著)
卯平うへい勘次かんじとのあひだ豫期よきしてごとひやゝがではあつたが、丁度ちやうど落付おちつかない藁屑わらくづあしいてはにはとり到頭たうとうつくるやうに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ことに近頃の冬は彼の身体からだに厳しくあたった。彼はやむをえず書斎に炬燵こたつを入れて、両膝りょうひざから腰のあたりにみ込むひえを防いだ。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
男たちはおのづからすさめられて、女のこぞりて金剛石ダイアモンド心牽こころひかさるる気色けしきなるを、あるひねたく、或は浅ましく、多少の興をさまさざるはあらざりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
肩に懸けたる手をば放さでしきりゆすらるるを、宮はくろがねつちもて撃懲うちこらさるるやうに覚えて、安き心もあらず。ひややかなる汗は又一時ひとしきり流出ながれいでぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すずしい風の来るところを択んで、お福は昼寝の夢をむさぼっていた。南向の部屋の柱に倚凭よりかかりながら、三吉はお雪から身上みのうえの話を聴取ろうと思った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして急にえとした山気さんきのようなものが、ゾッと脊筋せすじに感じる。そのとき人は、その急坂きゅうはんに鼠の姿を見るだろう。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
樹の枝がしば/″\車の幌に觸れる。車は既に山腹を削つた岨道を攀ぢて行くのである。空氣の澄渡つてひやゝかなことが際立つて感じられて來る。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
へゝゝ不断ふだんやりつけてるもんですから……(一くちんで猪口ちよこを下に置き)有難ありがたぞんじます、どうも……。小「さめないうちにおひよ、おわんを。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その翌朝早く姉妹きやうだいは身仕度し、子供等にも単衣ひとへを着更へさせ、婆やに留守を頼んで置いて、すゞしいうちに家を出た。長ちやんは近道をよく知つて居てズン/\先へ歩いて行く。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
れいか、熱か、匕首ひしゅ、寸鉄にして、英吉のその舌の根を留めようとあせったが、咄嗟とっさに針を吐くあたわずして、主税は黙ってこぶしを握る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取縋とりすがる松の枝の、海を分けて、種々いろいろの波の調べのかかるのも、人が縋れば根が揺れて、攀上よじのぼったあえぎもまぬに、汗をつめとうする風が絶えぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひんやりした蚊帳の色のすが/\しい青さに彳みながら、そこらへ出るにもあんまりな、鬢のあたりを掻き上げた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
呆然ぼんやり縁側に立って、遠くの方を見ると、晩秋あきの空は見上げるように高く、清浄きれいに晴れ渡って、世間が静かで、ひいやりと、自然ひとりでに好い気持がして来る。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
むことを得ず、暮れかかる峰の、莫大な母衣ほろ背負しょって、深い穴の気がする、その土間の奥をのぞいていました。……ひやっこい大戸の端へ手を掛けて、目ばかり出して……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夕風がヒヤついて參ります。内へと遊ばされ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
そんな事とは知らないから前に命ぜられた社員は着々進行してざ実現しようとなると、「アレはやめにした、」とケロリとました顔をしている。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
と込上げ揉立もみたて、真赤まっかになった、七てんとう息継いきつぎに、つぎざましの茶を取って、がぶりと遣ると
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひと鉢の草の花だにすゑなくに昼すさまじく師をやらふとす
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして呆れている私の顔を見て、せせら笑っている警官の手には何と、誰が封を切ったものか私から蕗子に宛てて投込なげこんだ手紙が握られていました。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
その雪えりふところに入りてつめたきたへざるを大勢が笑ふ、まどよりこれをるも雪中の一興いつきやうなり。
「おお、つめてえ。老人としより冷水ひやみずたまったもんじゃねえ。」とつぶやきつつ、打仰ぎて一目見るより、ひええ! とって飛退とびすさり、下駄を脱ぎて、手に持ちはしたれども
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誠に気の毒な事じゃ、諭吉さんもとう/\亜米利加で死んで、身体からだしおづけにして江戸にもって帰たそうだなんと、おどすのかひやかすのかソンな事までいって母をなぶって居たと云うような事で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
とりわけ、焼いて食うのが一番美味い。焼きたてならばそれに越したことはないが、焼きましのものは、改めて遠火であぶって食べるがよい。
鱧・穴子・鰻の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
勤めに行かねばなりません。しかし、ジム・ホーキンズは私のうちに泊めるためにここにいさせたいと思いますから、御免を蒙って、コールドパイを取りよせて、ジムに夕食を食べさせたいのですが。
葉牡丹のむらめたる二月かな
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)
の花の白く咲かむ限り、此の切支丹寺に、われ等の執念残れりと思へ。此の怨み晴れやらぬものと思へと狼の吠ゆるが如くめき立つるを、何を世迷言よまひごと云ふぞ、とあざ笑ひつ。此世は此世限り。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
田舎いなかの女程物見高いものは有ません。奥様が花やかな御風俗おみなりで御通りになる時は、土壁の窓から眺め、障子の穴から覗き、目と目を見合せていやな笑いかたを為るのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「違ったか。雪や氷、おべたい氷よ。そら水の上にチョンなんだ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前に向へば風さむし。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こったらしゃッこい水さ、誰が好き好んで飛び込むって! 隠れてやがるんだ。見付けたら、畜生、タタきのめしてやるから!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
一 嫉妬の心努〻ゆめゆめおこすべからず。男婬乱なればいさむべし。いかりうらむべからず。ねたみ甚しければ其気色言葉も恐敷すさまじくして、却て夫にうとまれ見限らるゝ物なり。若し夫不義あやまちあらば我色をやわらげ声をやわらかにして諫べし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
蓊欝こんもりと木がかぶさつてるのと、桶の口を溢れる水銀の雫の様な水が、其処らの青苔やまろい石を濡らしてるのとで、如何いか日盛ひざかりでもすずしい風が立つてゐる。智恵子は不図かつを覚えた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おやすまして、石のしたもぐつてく。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「これをお敷きなさいまし。つべたいでしょう、露だらけですから……」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
後立山は祖父じいヶ岳を指したものと考えられるし、又夫またそれつべたノ池附近であるとすれば
めっぽーはっこい水だ
貧農のうたえる詩 (新字新仮名) / 長沢佑(著)
ひや豆腐、でんがく、にゅうめん、ひやしそうめん、茶碗蒸し、小田巻むし、うなぎ蒲焼、海老鬼殻おにがら焼、天丼、親子丼、海苔佃煮のりのつくだに、寄せ鍋、鯛ちり、牛鍋、かきどふ鍋、鳥鍋、鴨鍋、御寿司
ひやつこく、宛然さながらあみしたを、みづくゞつてるやう、砂地すなぢつてても身體からだゆらぎさうにおもはれて、不安心ふあんしんでならぬから、なみおそふとすた/\とあと退き、なみかへるとすた/\とまへすゝんで
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あがけばつまづき、躓いては踠き、揚句あげくに首も廻らぬ破目はめに押付けられて、一夜あるよ頭拔づぬけて大きな血袋ちぶくろ麻繩あさなわにブラ下げて、もろくもひやツこい體となツて了ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
客人マレビトも あるじも 身をぞ縮めをる。下えつよき 狭き屋のうち﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)