“すずし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スズシ
語句割合
33.3%
25.5%
生絹17.6%
衫衣5.9%
清絹3.9%
白絹3.9%
絹衣3.9%
2.0%
涼絹2.0%
2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあ、」とすずしい目をみはって、きっにらむがごとくにしたが、口に微笑が含まれて、苦しくはない様子。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょいと見向いて、すずしい眼で御覧なすって、莞爾にっこりしてお俯向うつむきで、せっせと縫っていらっしゃる。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……もう、清いすずしいお方だと思いましたものを、……女ばかり居る処で、宿貸せなぞと、そんな事、……もう、私は気味が悪い。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一、長閑のどかあたたかうららか日永ひながおぼろは春季と定め、短夜みじかよすずしあつしは夏季と定め
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たくわえの米櫃こめびつにこおろぎが鳴き、生絹すずしはたけの揃わぬ青菜の枯れ葉をすぐるのに、爪のあいだに泥をそめた。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
あさましく覚えて、ともかくも、思ひわかれず、やをら起き出でて、生絹すずしなる単衣ひとへ一つ着て、すべり出にけり。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
召使にいいつけて、すぐ風呂へ入れ、汗臭い狩衣を衫衣すずしにかえさせるなど、まるで野遊びから帰った子にするような世話だった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白い衫衣すずしに、唐団扇からうちわを持ち、からだをしゃに脇息から、藤夜叉の姿を眺めていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
安芸宗重むねしげは白の清絹すずしの着ながしで、あぐらをかいて、右手に扇子、左の手に盃を持って飲んでいたが、甲斐が坐ると、盃を持った手で「こちらへ」という動作をした。
俗にめくら乳という、乳首の出ていない、薄い樺色かばいろ乳暈にゅううんだけの、小さいけれど固く張りきった乳房ちぶさから、きめのこまかな、清絹すずしのように青みを帯びた白いなめらかな肌、まるく小さな肩や、くびれている細腰などを、得石は昂奮こうふんした口ぶりで、手まねをしながら詳しく語った。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お城の倉からは、早速三巻の七色の絹糸と、真珠のような色をした白絹すずしの布とが運ばれました。
ようか月の晩 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「お年ごろは思いのほか、二十四、五に見られたが、それはもう、この世のひととは思えない。夏なので、白絹すずしにちかい淡色うすいろうちぎに、羅衣うすものの襲ね色を袖や襟にのぞかせ、長やかな黒髪は、その人の身丈ほどもあるかとさえ思われた。櫛匣くしげをおき、鏡にむこうておられたのを、なかば捲かれた御簾みすごしに見たのだが……」などと
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銀色ぎんいろ絹衣すずしひるがへる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白銀しろがね絹衣すずしゆるがせ、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蓊欝こんもりと木がかぶさつてるのと、桶の口を溢れる水銀の雫の様な水が、其処らの青苔やまろい石を濡らしてるのとで、如何いか日盛ひざかりでもすずしい風が立つてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これが問題になればだれが襖子をあけたかと必ず言われるであろう、あの人の着ていたのは単衣ひとえはかま涼絹すずしであったから
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御前にいる人は皆土のような顔をしたものばかりであるとも思われるのであったが、気を静めて見ると、黄の涼絹すずし単衣ひとえ淡紫うすむらさきをつけて扇を使っている人などは少し気品があり、女らしく思われたが、そうした人にとって氷は取り扱いにくそうに見えた。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
例えば毒殺の嫌疑を受けた十六人の女中が一室に監禁され、明日残らず拷問ごうもんするとおどされる、そうして一同新調のすずしのかたびらを着せられて幽囚の一夜を過すことになる。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)