“すま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スマ
語句割合
29.4%
23.0%
19.4%
須磨13.3%
3.9%
2.1%
簀巻2.1%
住居1.2%
1.2%
相撲1.2%
角力0.9%
簀捲0.6%
0.3%
0.3%
寿満0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いえ、戯談ぜうだんなぞ申しません。鶏小舎とりこやの古いのを買ひまして、それにすまつてゐるのです。夏分なつぶんになりますと、羽虫はむしに困らされます。」
一たび二たび三たびして、こたえやすると耳をすませば、はるかに滝の音聞えたり。どうどうと響くなかに、いと高くえたる声のかすか
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
西のかたに山の見ゆる町の、かみかたへ遊びに行つて居たが、約束を忘れなかつたから晩方ばんがた引返ひっかえした。これから夕餉ゆうげすましてといふつもり。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今は極度にわびしい須磨すまの人たちであった。今日までのことも明日からのことも心細いことばかりで、源氏も冷静にはしていられなかった。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わびさせ其夜の中に事をすませ叔母も名主方へぞ參りける是は傳吉が留守中るすちうおはや憑司は不義ふぎなしお梅は昌次郎と密通みつつうに及びて居たるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
地獄ぢごく夜叉やしゃ肉體からだには何者なにものませうとや? あんな内容なかみにあのやうな表紙へうしけたほんがあらうか? あんな華麗りっぱ宮殿きゅうでん虚僞うそ譎詐いつはりすまはうとは!
……こいつは、加代姫にちょっとよくないことをしたんで、六平たちに簀巻すまきにされて皀莢河岸に沈められた。
家主やぬしは下の中の間の六畳と、奥の五畳との二間に住居すまいて、店は八畳ばかり板の間になりおれども、商売家あきないやにあらざれば、昼も一枚しとみをおろして、ここは使わずに打捨てあり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
磨ぎすましたる三日月は、惜しや雲間に隠れき、ゆかりの藤の紫は、厄難いまだ解けずして再び奈落に陥りつ、外よりきたれる得右衛門も鬼の手に捕られたり。さてかの下枝はいかならん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚き怒りてつかみかかれる彼を、武男は打ち倒さんと相撲すまう。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
或る朝老僧の舍監を勤むるが、我臥床ふしどの前に來しに、われ眠れるまゝに眼をみひらき、おのれ魔王と叫びもあへず、半ば身を起してこれに抱きつき、暫し角力すまひて、又枕に就きしことあり。
野郎、喧嘩をしたな、喧嘩をして簀捲すまきにされて高いところから突き落されたんだ、これここに縄のあとがある、縄でギューギュー引括ひっくくられて突き落されたんだ、人をばかにしていやがる
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おやすまして、石のしたもぐつてく。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
狭くして深い生命の新しい兆しは、最鋭いまなざしで、自分の生命を見つめている詩人の感得を述べてる処にすまって来る。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
それから、数分の後、整然と、現場をすてた仲仕たちを乗せて、大伝馬船は、寿満すま丸の舷側を離れた。深夜の黒い波を切って、若松側の岸壁に向かって、漕ぎ進んだ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
もっと痛ましいのはあによめの身内であった。まき氏の家は大手町の川に臨んだ閑静なすまいで、私もこの春広島へ戻って来ると一度挨拶あいさつに行ったことがある。大手町は原子爆弾の中心といってもよかった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
折々にさゞ波うつ柳眉まゆの如何なる愁ひやふくむらん、金をとかす此頃の暑さに、こちたき髮のうるさやとすましけるは今朝、おのづからの緑したゝらん計なるが肩にかゝりて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)