“縁”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ふち38.0%
えん22.1%
へり19.0%
えにし6.2%
べり2.6%
2.4%
ゆかり2.1%
ぷち1.1%
ゑん1.0%
えに0.9%
(他:38)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“縁”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語13.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行5.6%
文学 > 日本文学 > 詩歌5.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そうかと思うと白の帆木綿ほもめんに黒いふちをとって胸の真中に花文字を、同じ色に縫いつけた洒落者しゃれものもある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがてまた足音がして、こんどは頭をぴかぴかの時分ときわけにし、黒い太いふち眼鏡めがねをかけた若主人が現われた。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
船員の中には、陸上の悪漢団あっかんだんと、切っても切れぬくさえんのあるものがあって、いつも密輸を強制される。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
月の冴ゆる夜は、峰に向った二階のえん四枚よまいの障子に、それか、あらぬか、松影射しぬ……戸袋かけて床の間へ。……
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眼も爪も全く生きた時のままに残した大きな虎の皮に、緋羅紗ひらしゃへりを取ったのがこの店のおもな装飾であった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そう、口のへりまで出かかったのだけれど、現に自分達はそれを見て蒼くなるほど愕いたのに、今更疑うわけには行かなかった。
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
菫が咲いて蝶の舞う、人の世の春のかかる折から、こんな処には、いつでもこの一条が落ちている、名づけてえにしの糸と云う。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
而して己が靈の法廷しらすに、父の前にて、これとえにしを結びし後、日毎ひごとに深くこれを愛したればなり 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
藤枝の声を聞いて集まって来た人びとは、藤枝といっしょになって利根川べりの方へ追って往ったが、女の影はもう見えなかった。
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
江戸川べりに住む小身者のわかい侍は、本郷の親類のもとまで往って、其処で酒を振舞われたので、好い気もちになって帰って来た。
花の咲く比 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
渠はいかにしてかなきそでを振りける? 魚は木にりて求むべからず、渠は他日の興行を質入れして前借りしたりしなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この『半肯定論法』は『全否定論法』或は『木にって魚を求むる論法』よりも信用を博し易いかと思います。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
孔子こうしの教えのごときは、よほど俗界にゆかりの近いものであるが、なお恭謙譲の三者をもって最高の徳として考えている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もう自分には何のゆかりもなくなった遠い前世の夢が、くいもなく、ただ遥かな想い出のようによみがえって来るのです。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
まるで青菜に塩のていで、考え込みながらふらふらと数寄屋橋すきやばし御門から西紺屋にしこんや河岸かしぷちへ出た。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
にんじん——それに、とうさんだって、ここより水っぷちのほうがいいよ。草の上へ寝転ねころんどいでよ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
新聞しんぶんながらあきなひするのとおもふてもたれど、はからぬひとゑんさだまりて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
猿樂町さるがくてうはなれたのはいまで五ねんまへつからお便たよりをゑんがなく
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夕露にひもとく花は玉鉾たまぼこのたよりに見えしえにこそありけれ
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひけるえには深しな
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しかしながらまたよく考えてみると、近ごろ世間には、数年断絶したことの知れている家を、ゆかりのない他氏他門から、勝手に相続することもある。
鍵を見てから、急に昨夜とはガラリと態度を変えた秀蓮尼は、そも如何なるゆかりの人物であろうか。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
河岸ぶちへ来て、己が正体なくなって土地じびたへ坐った時に、常がこう/\と云った事はかすかに覚えてるが
今は失くした日本橋の旧居で使っていた道具のなかからわずかに残しておいたこの手のこんだ彫刻ぶちの姿見で化粧をするのは、小初には寂しい。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
訝しく、襟元を見ると、あたりまえに襟をつけず、深くくって細い白羽二重のヘリがとってある。
木蔭の椽 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
旅の若い女性ニヨシヤウは、型摺りの大樣な美しい模樣をおいた著る物を襲うて居る。笠は、淺いヘリに、深い縹色ハナダの布が、うなじを隱すほどに、さがつてゐた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
宗教及び道徳は彼のシバルリイに欠くべからざる要素なりしに、我が平民のシバルリイは寧ろ当時の道徳組織をしりぞけ、宗教にはちなみ薄きものにてありし。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そうして馬の背の上に、梅鉢の紋らしいのが見えるところによって見れば、これは、やはりこの街道の神様である加州家にちなみのある荷馬にうまであることも推測おしはかられます。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はや秋深くうつむく豆畑の麦稈帽子のつばの痛さよ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
四月にははやつば広の帽を被つた
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
ばっさりと垣にかかるあわせの頃は、さまでに心を動かすよすがともならぬと油断する翌朝よくあさまたばさりと落ちる。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分は天の冥加みょうがに叶って今かくとうとい身にはなったが、氏も素性もないものである、草刈りが成上ったものであるから、いにしえ鎌子かまこ大臣おとど御名おんなよすがにして藤原氏になりたいものだ。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それ故七兵衞さんを殺していんの下へ隠したのでございましょうと私が云うたら、あんたも直に縛られて行って、お処刑しおきを受けんではなるまいが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
七兵衞がっては邪魔になるというて、とゝまの七兵衞を薪割で打殺ぶちころし、本堂のいんの下へかこしたところが、われえ事は出来でけぬものじゃなア、心棒が狂いまごうたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こうして二時間ち、十二時が打つや、あおい顔のお政は死人のように横たわっているのを見届けて、前夜は盗賊を疑ごうて床を脱け出た自分は、今度は自身盗賊のように前夜よりも更に静に、更に巧に、寝間を出て、えんがわの戸を一分又た一分に開け、跣足はだし外面そとに首尾能く出た。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
これりの話だよ、たれにもしらしてはなりませんよ。私がだ若い時分、お里の父上おとうさまえんづかない前にある男に言い寄られて執着しゅうねく追いまわされたのだよ。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
当主の公爵、公爵夫人、手伝いに来てくれた、アンドレーセン子爵にかたづいているめいのソールヴェイグ夫人、その母親のフロム夫人、それらの人々ともどもホール入口で客を迎えて、すでに来客たちのことごとくが大広間ホールや控えの間一杯に満ちあふれて、歓談笑声煙草の煙は濛々と、邸の内外にゴッタ返している時であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「あなたがどうでも家にいれば、今日から私の方で、あなたのいる間、親類へでも何処へでも行っている。……奉公にでも行く。……好いくちがあれば、明日でもかたづかねばならぬ。……同じ歳だって、女の三十四では今の内早く何うかせねば拾ってくれ手が無くなる。」と言うから、
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
世の人いけるを以てまかれるひとに誤つことを惡む、此れ其のことのもとなり
支那歴史的思想の起源 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
此れ世の人の所謂反矢かへしやむべしと云ふことのもとなり
支那歴史的思想の起源 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
大変殿様の御気に入りで、猿にちなんだものを時々下さった。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この大夕立が秩父山を通り過ぎて、東の地平線上に銀のりを着けたような一塊の雲となって、東京の空あたりに余勢を逞しうするのは、三時間も経った後である。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
あをぐろい茂りを東北地方夏季中特有の優しみある空に、高くのびのびと差出してゐる松の廣い方陣、その方陣と方陣とのあひだに所々空間があつて、綺麗な芝生カガハラへりどつた野球グラウンド、テニス・コート
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
褥の下には別に御畳といって、高麗りの少し広い一畳を敷く。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
王栄老は郊外電車の不通に出会つた銀行員のやうに、荷物を横抱きにぶつぶつぼやきながら、かはぺりの宿屋に入つた。
妾はいろいろとよりを探してみた。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
汝また知るべし、一の罪とともに、まさしくこれと相反する咎、そのみどりをこゝにらすを 四九—五一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
然れども後には、その伺見かきまみたまひし御心を恨みつつも、ふる心にえへずして、その御子をひたしまつるよしに因りて、そのいろと玉依毘賣に附けて、歌獻りたまひき。