“ぶち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ブチ
語句割合
扶持36.3%
35.2%
6.7%
斑点3.4%
斑犬2.8%
2.8%
2.2%
1.7%
1.7%
斑牛1.1%
斑點1.1%
五石二人扶持0.6%
0.6%
斑猫0.6%
斑痕0.6%
斑紋0.6%
斑馬0.6%
白斑0.6%
虎斑0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はその頃はもう、あてがい扶持ぶちの別邸住いになっていたが、そこから川村の目を忍んで、ひとりでわしのホテルへ遊びに来ることもあった。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
但し弾機ばね一個不足とか、生後十七年、灰色のぶちある若き悍馬かんばとか、ロンドンより新荷着、かぶおよび大根の種子とか、設備完全の別荘
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
滅多に手荒なことをしたことのなかった父親をして、しまいにお島の頭髪たぶさつかんで、彼女をそこに捻伏ねじふせてぶちのめすような憤怒を激発せしめた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「お由良の肩の斑点ぶちを、俺はなぐった傷だと思うよ——毒で死んだのなら、口の中がどうかなっているはずだし、胸のあたりにも斑点が出るはずだ」
「畜生、しッ……畜生。」とこぶし揮廻ふりまわすのが棄鞭すてむちで、把手ハンドルにしがみついて、さすがの悪垂真俯向まうつむけになって邸町へ敗走に及ぶのを、斑犬ぶちは波を打ってさっと追った。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝から驟雨性しゅううせいの雨がざあと降って来たり、ほそい雨が煙ったり、蛞蝓なめくじが縁に上り、井戸ぶちに黄なきのこえて、畳の上に居ても腹の底までみ通りそうな湿しめっぽい日。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
別に名前のあるような淵ではないんで、村の者はトチぶちトチ淵と云っていましたが、さあ、どう云う字を書きますかな。
紀伊国狐憑漆掻語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
巡「コラ、仮令たとい其の方をぶち打擲ちょうちゃくを致したにもせよ人を打擲するのみならず、此の谷川へ投落すと云う理由わけはあるまい、乱暴な事をして、えゝこれ、派出へ来なさい」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あなたはお野掛けがおすきでいらっしゃいましたが、此の程はさっぱり野歩きもなさいませず、河岸ぶちへもいらっしゃいませんが、と御保養を遊ばしては如何いかゞでございます
「……お? あの斑牛ぶちだが」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瀉にはまた「ワラスボ」といふ鰻に似て肌の生赤い斑點ぶちのある、ぬるぬるとした靜脈色の魚もゐた。魚といふよりも寧ろ蛇類の癩病にかかつた姿である。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
禄高は五石二人扶持ぶちという指南番にしては甚しい小禄であるが、オカへあがるとバカであるから、領下の民にサムライをバカにさせる気風をつくってはこまる。そこで源左が
その頃の秤座は通四丁目の一角を占める大きな建物で、役人としてはわずか切米十俵二人ぶちの小身ですが、二た戸前の土蔵を背後に背負って、繁昌はんじょう眼を驚かすばかり。
「こんな大きな斑猫ぶちを!」
薄暮の貌 (新字旧仮名) / 飯田蛇笏(著)
髪は、禿げ上がり、顔は赤黒い無気味な照りを持って、れた唇のわきには、紫いろの斑痕ぶちが出来ていて、人の二倍もあるかのように全体が畸形きけいに大きくふくれているのだ。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、自ら手拭出して拭きたりしも、化学染めの米沢平、乾ける後には、さだめて斑紋ぶちを留めたらん。気の毒に。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
毛むくじゃらの小さな斑馬ぶちも、やはり体じゅう真っ白になって、こほんこほん咳をしていた。わたしはそれをよくおぼえている。
白斑ぶちの大きな木馬のくらの上に小さい主人が、両足をん張ってまたがると、白い房々したたてがみを動かして馬は前後に揺れるのだった。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
応接間の構造は流石さすがに当市でも一流どころだけあって実に見事なものであった。天井裏から下った銀と硝子ガラスの森林みたような花電燈。それから黒虎斑ぶちの這入った石造の大煖炉だんろ。理髪屋式の大鏡。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
〈野驢は女直じょちょく遼東にづ、驢に似て色ぶち、鬃尾長〉といったはチゲタイで、〈野馬は馬に似て小、今甘州粛州および遼東山中にもまたこれあり、その皮を取りてかわごろもす、その肉を食い