“まだら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
89.8%
斑点3.6%
斑紋1.2%
0.6%
斑毛0.6%
斑白0.6%
斑點0.6%
曼陀羅0.6%
0.6%
白斑0.6%
赤斑0.6%
馬渡0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはまだらに赤や青の着色があって、その表面には小豆あずきを二つに割った位の小さな木の実みたいなものが一面に貼り着けてあるんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
その血痕けっこんのどす黒い斑点まだらが、つい笹村の帰って来る二、三日前まで、土にみついていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その僅かに二三尺から、四五尺の高さに残っているコンクリートや煉瓦塀の断続の間に白と、黒と、灰色の斑紋まだらになった袋の山みたような物が、射的場の堤防ぐらいの高さに盛り上っていた。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やがて四方あたりが眞つ暗になつて、橋の上の人波もやゝまだらになると、菊屋の同勢もさすがに酒も興も盡きます。
近づいて見ると、僅かにれる朝の光の中乍ら、お市の顏色や表情の凄まじいことにすぐ氣が付きます。その上首に卷きつけたのは、蛇のやうなまだらの紐——前掛の眞田紐さなだひもではありませんか。
山茶花の朝霧ゆゑにかたへ行く鹿の子の斑毛まだらいつくしく見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
禿げた頭の月代さかやき斑白まだらになりまして胡麻塩交りの髭が蓬々ぼう/\生え頬骨が高く尖り小鼻は落ちて目も落凹おちくぼみ下を向いて心のうち或遭王難苦わくそうおうなんく臨刑慾寿終りんけいよくじゅしゅう念彼観音力ねんぴかんのんりき刀尋段々壊とうじんだん/\え或囚禁枷鎖わくしゅうきんかさ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
坂にさしかゝれるばかりなるころ、見よ一匹のの豹あらはる、輕くしていとはやし、斑點まだらある皮これを蔽へり 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
これや曼陀羅まだらに織り入れて
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
そんなはずはないと心得ていながら、俥の梶棒があがる時、伸子はもう一遍、水のまかれた日光のささない三和土たたきの上で、小荷物運搬の手押車をよけよけかたまっているまだらな群集の中を物色した。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
僕は主人の案内でひととおり牛の下見したみをする。むろん巡査がひとりついてくる。牛疫の牛というのは黒毛の牝牛赤白斑まだらの乳牛である。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
そして車体を前後左右にゆすぶるものだから、例の乳をしぼられながら大きな目をむき長い舌を出している赤斑まだらの牛が、今にも絵の中からとび出して来そうであった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おもひを馳せて遠きをのぞむ、壱岐の島煙波ふかく鎖し、近海の諸島——「加唐かから加部島かべしま波戸はと馬渡まだら
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)