“蓬々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼうぼう56.4%
ほうほう25.5%
ぼう/\7.4%
おどろおどろ4.3%
おどろ/\2.1%
ばう/\1.1%
ほうぼう1.1%
ほう/\1.1%
ぼう/″\1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手巾ハンカチ目頭めがしらにあてている洋装の若い女がいた。女学校のときの友達なのだろう。蓬々ぼうぼうと生えた眉毛まゆげの下に泣きはらした目があった。
風宴 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
く沈んだ憂えを帯んだ額に八の字を寄せて、よもぎのように蓬々ほうほうとした半白の頭を両手でむしるようにもだえることもあるかと思えば
(新字新仮名) / 小川未明(著)
聞て重四郎成程々々なるほど/\好氣味よいきみなり然し此まゝかうしても置れまいと兩人つぶやき居る折から此物音に驚きて隱亡をんばう彌十ひげ蓬々ぼう/\かみ振亂ふりみだし手には鴈投火箸がんどうひばし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……以来、打続いた風ッ吹きで、銀杏のこずえ大童おおわらわに乱れて蓬々おどろおどろしかった、その今夜は、霞に夕化粧で薄あかりにすらりと立つ。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いまほこらぬまむかつてくさいこつた背後うしろに、なぞへに道芝みちしば小高こだかつたちひさなもりまへにある。鳥居とりゐ一基いつきそばおほき棕櫚しゆろが、五かぶまで、一れつならんで、蓬々おどろ/\としたかたちる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ねえや、こえ、こえ。)といひながら、だるさうに持上もちあげて蓬々ばう/\へた天窓あたまでた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山々は高く空をし、蓬々ほうぼうたる雑草は谷々に茂り、諸々の部落からは炊事の煙が幾筋か風になびいている。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
翌日彼が起き出ると、直ちに入浴させられ、署長の好意で待ち構えていた床屋に、蓬々ほう/\と延びた髪をすっかり刈らせる事が出来た。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
感じ悦び夜と共に物語りしてやすみける城富もひるつかれによく寢入ねいりし夢の中に身のたけ六尺ばかりの大のをとこ兩眼りやうがん大きくかみひげ蓬々ぼう/″\と亂れいとあやし氣なる有樣にて悠々のさ/\枕邊まくらべへ來る故夢心に城富は吃驚びつくりしける處に彼の男城富に向ひて若し/\御座頭おざとう樣何の由縁ゆかりもない私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)