“棕櫚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅろ78.2%
しゆろ21.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祭壇の前に集った百人に余る少女は、棕櫚しゅろの葉の代りに、月桂樹の枝と花束とを高くかざしていた——夕栄ゆうばえの雲が棚引たなびいたように。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
茶の間の方には、茶室めいた造りの小室こまさえ附いていた。庭には枝ぶりのよい梅や棕櫚しゅろなどがあった。小さい燈籠とうろうも据えてあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
が、あたまへ、棕櫚しゆろをずぼりとかぶる、とふくろふけたやうなかたちつて、のまゝ、べた/\とくさつて、えんした這込はひこんだ。——
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのテラスから棕櫚しゆろの並木を越して町はづれの果樹園が見え、更にオアシスの向ふには沙漠がだん/\高まつて四方へ拡がつてゐました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)