“棕櫚縄”の読み方と例文
読み方割合
しゅろなわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子守りの家では、亭主に死なれた母親が、棕櫚縄しゅろなわなどをって、多勢の子供を育てていた。お銀はその家の惨めな様子をよく知っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ちゃくわと二方をしきった畑の一部を無遠慮に踏み固めて、棕櫚縄しゅろなわ素縄すなわ丸太まるたをからげ組み立てた十数間の高櫓たかやぐらに人は居なかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たヾ、二尺五六寸有らんかと思はれし、棕櫚縄しゅろなわつきの生担いけたごを、座右に備へし男も有りしが、これ等は、一時の出来心とも言ひ難く、罪深き部類の一人なりしなるべし。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)