“劃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かく31.5%
しき22.6%
かぎ17.1%
くぎ17.1%
しきり5.5%
くわく2.7%
くぎり0.7%
えが0.7%
0.7%
かぎり0.7%
ゑが0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひろい小谷おだにの地を三分して、一かくごとに一城を築き、長政はその三の曲輪くるわにたてこもっていた。小谷城とは、三城あわせた総称である。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちゃくわと二方をしきった畑の一部を無遠慮に踏み固めて、棕櫚縄しゅろなわ素縄すなわ丸太まるたをからげ組み立てた十数間の高櫓たかやぐらに人は居なかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その巌は削れるがごとくそばだち、刻めるがごとく畳みたり、荒波の間より起り、大空をかぎれるさまの荘厳なるはいふばかりなし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
村の背後には、川を隔てて高峻な四国山脈が空をくぎっている。前面は、波のような丘陵の起伏と、そのさきの太平洋に面した荒海がある。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
裾模様すそもようの貴婦人、ドレスの令嬢も見えたが、近所居まわりの長屋連らしいのも少くない。印半纏しるしばんてんさえも入れごみで、席にしきりはなかったのである。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長者町へ入ると、向うに見える一くわく、それは俵屋の大きなかまへですが、その中に一パイのあかりが點いて多勢の人が、出たり入つたり、まさに右往左往してゐるのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
と何にも思わない調子でしたが、板戸をくぎりに、横顔で、こう言う時、ぐっと引入れるようにその瞳が動いたんです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼等は慈善を褒めそやして魅惑的なもっと幸福な社会状態をえがき上げ現存制度を破壊し自分達の野心の深謀を進めさえすればよいとしているか
みるみる長く十字きゐすくむ帯の縧色さなだいろ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
西にし神通川じんつうがは堤防ていばうもつかぎりとし、ひがし町盡まちはづれ樹林じゆりんさかひし、みなみうみいたりてき、きた立山りふざんふもとをはる。此間このあひだ見通みとほしの原野げんやにして、山水さんすゐ佳景かけいいふべからず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
舟は岸に近づきてゑがき、我がちて望めるほとりに漕ぎ寄せられたり。翁が手は艣を放てり。