くぎり)” の例文
と何にも思わない調子でしたが、板戸をくぎりに、横顔で、こう言う時、ぐっと引入れるようにその瞳が動いたんです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、山々の緑が迫って、むくむくとある輪廓りんかくは、おおぞらとのくぎりあおく、どこともなく嵐気らんきが迫って、かすかな谷川のながれの響きに、火の雲の炎の脈も、淡く紫に彩られる。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
突刺された、られた、焼かれた、と、秒を切ってくぎりのつくだけ、一々ドキリドキリと胸へ来ます。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)