“劃然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かくぜん66.7%
かっきり12.5%
くわくぜん8.3%
かつきり4.2%
くっきり4.2%
くつきり4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時、私のこんなふしだらな有様は、会社の者は誰も知らないはずでした。家に居る時と会社に居る時と、私の生活は劃然かくぜんと二分されていました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
幾本となくたてに組み合わされた、というよりも大磐石にヒビが入って、幾本にも亀裂したように集合して、その継ぎ目は、固い乾漆かんしつの間に、布目ぬのめを敷いたように劃然かっきりとしているのが
槍ヶ岳第三回登山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
其他は凡て淡緑色の山毛欅樹繁茂す、山奥のふかところいたれば黒緑色の白檜山半以上にしげり、其以下は猶山毛欅樹多し、故に山々常に劃然くわくぜんとして二分せられ、上は深緑、下は淡緑
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
とほけた劃然かつきりこずゑひかつた。勘次かんじかほあをくなつてぐつたりとあたまれた。かれしばら沈默ちんもくたもつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
晴れた夏には真先にひぐらしの家になったり、雪霽ゆきばれには青空に劃然くっきりそびゆる玉樹の高い梢に百点千点黒いからすをとまらして見たり、秋の入日のそら樺色にくんずる夕は
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
第一にをかしかつたのは「氏は黒い頭髮を中央から劃然くつきりと左右に分け紺セルの背廣服を着けたり」