“落”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
53.4%
おと17.4%
おち14.6%
おつ4.4%
おっ2.8%
おっこ1.5%
さげ0.9%
らく0.7%
おつこ0.4%
おとし0.4%
おッ0.3%
こぼ0.3%
0.3%
おろ0.1%
おッこ0.1%
 おと0.1%
いり0.1%
おちい0.1%
おっこっ0.1%
おつこち0.1%
おつこと0.1%
おとさ0.1%
おッこと0.1%
ころ0.1%
っこ0.1%
はま0.1%
0.1%
もら0.1%
0.1%
アヤ0.1%
0.1%
サゲ0.1%
ノコス0.1%
フオウル0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれは、ただとおくからながめているものです。けっして、あのはなみずうえちてきたとてべてはなりません。」とおしえました。
赤い魚と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある日などはチュンセがくるみの木にのぼって青いおとしていましたら、ポーセが小さな卵形たまごがたのあたまをぬれたハンケチでつつんで
手紙 四 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
踊りがうまいわけでも何でもありませんが、ひどく巧妙に要領を掴んで、さんざん潮吹に踊らせた上、毎度おちをさらって行くのです。
おつるところにはたらきざしあるゆゑに陰にして陽のまろきをうしなはざる也。天地気中の機関からくり定理定格ぢやうりぢやうかくある事奇々きゝ妙々めう/\愚筆ぐひつつくしがたし。
悲痛な声が叫んでいた、「あれがおっこった! 落こった!」足音が階段をころび降りてきた。父が、母が、泣きながら彼の身体にとびついた。
あんなに限って、そりゃきっと夢中になって、お前さんの事なんざおっことして、お宝を拾うから、とそのお前さんはかりごと、計略?
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まるで落語のさげのようなわけなンで。……金付馬が鶴岡を出たのが先月の二十二日。伏鐘は江戸にいてちゃんとそれがわかっていた。
今は隱退いんたいしてゐる小菅けんすけろうだん關根せきね金次郎名人にむかつて、としをとるとらく手がありちになる。らく手があるやうでは名手とは言へぬ。
蜀黍粒もろこしつぶおつこつてあんすぞ、さうすつと此處ここけたのまた何處どこへかつてつちやつたな」被害者ひがいしやはいつた。巡査じゆんさ首肯うなづいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
僕は一枚おとしでさして、さん/″\負かされた。余りに、くやしかつたので敗局の盤面を今でも思ひ出す位である。
世に出る前後 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
私も未だ試験慣れのせぬうち、ふと其かねあいを外しておッこちた時には、親の手前、学友の手前、流石さすが面目めんぼくなかったから、少し学校にも厭気が差して
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は心の飢えた、影のうすい切れ/\になつた自分を眺めてしみ/″\とした涙をこぼして居りました。
平塚明子論 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
ぎたる紅葉もみぢにはさびしけれど、かき山茶花さゞんかをりしりかほにほひて、まつみどりのこまやかに、ひすゝまぬひとなきなりける。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これすなわち清行のいわゆる「諸国の百姓課役を逃れ、租調をのがるゝ者、私に自ら髪をおろし、猥りに法服を著く」とある者である。
無闇と人の頬片ほッぺた髭面ひげつらこすり附けやアがって……おや笠を落してしまった、仕様が無いなア……おや笠は此処におッこちてる
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
電光がすばやく射し込んで、ゆかにおろされてかにのかたちになっている自分の背嚢はいのうをくっきりらしまっ黒なかげさえ おとして行きました。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いりつ日の照りきはまれば何がなし小鳥岬をいま放れたり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
君たちが昏睡におちいると、僕は君と恒子さんとをならばせ、それから、僕は恒子さんのわきに横になろうと思う。そうすれば僕と君とは恒子さんをはさんで死ぬことになるのだ。
ある自殺者の手記 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「何あ、おっこってるんだてよ?」
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
かさあつちのがひどへんおとだとおもつてうちにやおつこちんなえゝもんで、こまつたこと出來できたのせ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
井戸ゐどおつことしたくぬぎ梯子はしごけてもれめえか」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
生田はあたか伯楽はくらくの見おとされたる千里の馬の如く呆れて其顔を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「ねえ、かあさん! わたしにいさんのあたまって、おッことしちまったの!」
殊に又之を殺せば日頃憎しと思う藻西は死し老人の身代しんだいは我愛する美人倉子の持参金と為りて我が掌底たなそこころがり込む訳なれば承知したるも無理ならず。
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
っこちも落ちた、奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十はたちも年下の、炭屋だか、炭焼だかの息子と出来て、東京へ舞戻り、本所の隅っ子に長屋で居食いをするうちに、この年齢とし
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは生国魂いくたま神社の境内の、さんがんでゐるといはれてこはくて近寄れなかつたくすの老木であつたり、北向八幡の境内の蓮池にはまつた時に濡れた着物を干した銀杏いちやうの木であつたり
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
御食みけむかふ南淵山みなぶちやまいはほにはれる斑雪はだれのこりたる 〔巻九・一七〇九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おまへの心は天地の声を、聞きもらすこともなかつたゆゑに。
是等これら石鏃せきぞくは鳥獸獵のさい射損ゐそんじて地にちたるものなるべく、其存在の事實じじつは、如何にコロボックルが鳥獸捕獲ほくわくの爲め高山に登りし事有るかを告ぐるものたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
さう言ふ木や水で死ぬのは、躰を傷け、血をアヤさぬ死に方で、禁忌を犯さぬ自殺法なのです。我々はこれは簡単に今まで考へてをります。日本の古代女性には、其職掌上、結婚を避ける女があつた。
真間・蘆屋の昔がたり (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「モ、モ、モシ、……シタカタ。……オタスクダサアイ。……ガチギレソーダ。……アア……チル、……チル……」
「あははのはあ」と頓驚とんきょうな笑いでサゲになる。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
那時ソノトキ百姓。上千上萬セントナクマントナク。……走致揚州府前。市心裏。那裏等得開刀。早被百姓ドモ上來。儞一刀。我一刀。零分碎剮去吃了。只ノコス一個孤椿ヒトツノポウシバラレテ市心。開了膛心肝五臟
丑松は二度目の球を試みた。力あまつて線を越えた。ああ、『フオウル』だ。丑松も今は怒気を含んで、満身の力を右の腕に籠め乍ら、勝つも負けるも運は是球一つにあると、打込む勢は獅子奮進。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)