“櫟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くぬぎ95.2%
いちい1.6%
いちひ1.6%
なら1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪こそは降り出さなかったが、その灰色をした雪雲の下に、骨を削ったようなくぬぎかしの木立は、寒い木枯こがらしに物凄い叫びをあげていた。
不幸 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
彼は胸の勾玉を圧えながら、いちいひのきの間に張り詰った蜘蛛くもの網を突き破って森の中へ馳け込んだ。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
川くまのふたもといちひかげみれば猶も君見ゆわれ遠ざかる
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
茅草ちがや・尾花の布きなびく草の海の上に、ならはりの雑木林が長濤のようにうち冠さっていた。榛の木は房玉のような青い実をつけかけ、風が吹くと触れ合ってかすかな音を立てた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)