“馬酔木”のいろいろな読み方と例文
旧字:馬醉木
読み方(ふりがな)割合
あしび68.6%
あせび25.7%
あせみ2.9%
アシビ2.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白楊しろやなぎなどの喬木類が、昼は日光、夜は月光をさえぎり、そうしていばらだのはぜだの水松みずまつだの、馬酔木あしびだの
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こう思って林の奥を目ざし、敵と別れて走り込み、馬酔木あしびの大藪を背後にし、ドッカと草に坐ったが、鎧通しを引き抜くと、左の脇腹へ突き立てた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
馬酔木あしびをベリベリ柴と呼び、松毬まつかさをチチリという類は、はじめは幼い者を喜ばせるためとしても、今は既に親々の方言になっている。
池水いけみづかげさへえてきにほふ馬酔木あしびはなそで扱入こきれな 〔巻二十・四五一二〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「春の奈良へいって、馬酔木あしびの花ざかりを見ようとおもって、途中、木曾路をまわってきたら、おもいがけず吹雪に遭いました。……」
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
それからまたもヒョロリヒョロリと、嘉門は千鳥に歩き出したが馬酔木あせびくさむらの元まで行くと、またまたグルリと振り返った。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此処ここを下って西南の小峰を指して登ると、山相が一変して岩が多く、従って尾根が狭く急となり、石楠しゃくなげ馬酔木あせびの曲りくねった枝が行手を遮ぎる。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
客間の庭には松や梅、美しい馬酔木あせびかや木賊とくさなど茂って、飛石のところには羊歯が生えていた。
雨と子供 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「おや」と鈴江は声を上げたが、馬酔木あせびの叢の裾の辺まで、小走りに走ってうかがった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
東京ではさほどにも思わない馬酔木あせびの若葉の紅く美しいのが、わたしの目を喜ばせた。
鰻に呪われた男 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
躑躅つつじと同科のアセミまたアセボを『万葉集』に馬酔木あせみと書き、馬その葉を食えば酔死すという。
下草に交つて、馬酔木アシビが雪のやうに咲いても、花めいた心を、誰に起させることもなしに、過ぎるのがあはれである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
巌岩イソウヘに生ふる馬酔木アシビを」と聞えたので、ふと、冬が過ぎて、春もけ初めた頃だと知つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)