“骸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むくろ58.2%
から10.9%
がら8.2%
なきがら8.2%
かばね5.5%
ムクロ2.7%
からだ2.7%
がい1.8%
ほね0.9%
ガラ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世話役が佐介のむくろをさげて雑木林のほうへ来、ひと振りして無雑作に周平のいる草むらへ投げこむと、すぐつぎの試合がはじまった。
春の山 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と私が言ったので、家内や妹は棺の周囲へ集って、毛糸の巾着の外に、帽子、玩具おもちゃ、それから五月の花のたぐいで、死んだ子供のからを飾った。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼等は最初の勢いにも似ず、じり/\と警戒しながら、そして主人のがらを蹈まないように大廻りしながら、床の間の方へ進んだ。
「いくら家や主人が大事でも、顏形ちの似た他所よその伜をだましてつれ込み、なきがら黒子ほくろの代りに刺青までして、身代りにするのはひど過ぎはしないか」
夕暮になりて幸助の帰りこぬに心づき、驚きて吾らもともに捜せし時はいうまでもなく事遅れて、哀れのかばねは不思議にも源叔父が舟底に沈みいたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
巌岩イソウヘに生ふる馬酔木アシビを」と聞えたので、ふと、冬が過ぎて、春もけ初めた頃だと知つた。おれのムクロが、もう半分融け出した時分だつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もう夢のようになりましてそのからだを抱いているうちに、着いたのが良人が討死うちじに電報しらせでした
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
分隊長はがいも留めず、同僚は戦死し、部下の砲員無事なるはまれなりしがなかに、不思議の命をとりとめて、この海軍病院に送られつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
撫骸歎菲才 ほねして菲才を歎ず。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
其亡ガラは、大和の国を守らせよ、と言ふ御諚ゴヂヤウで、此山の上、河内から来る当麻路の脇におけになりました。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)