からだ)” の例文
もう夢のようになりましてそのからだを抱いているうちに、着いたのが良人が討死うちじに電報しらせでした
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
大岡殿は見て取れ大おん默止だまれ此出過者すぎものおのれ尋問たづねはせぬぞ只今九郎兵衞が申には里のからだきずは無いとあり又汝もよめではあれど知らぬと答へしには非ずや然るを今村役人共が申立るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夜になると、このいくつかの眼に赤く燈火がともる。中に人が住んでいるからだ。だから全く死んだ怪物のからだが野中に捨てられてあるのでない。動かなくとも幾分かの生気があるのだ。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
たてなされよ其時の證據しようこには幸ひ御延みのぶ貫主くわんしゆ樣に曼陀羅まんだらの裏書を願つて書て頂いた是は私がからだにもかへられぬ大切の品なれどお前に渡すサア金と引替に致さんと藤八が深切しんせつに九助も安堵あんどし百八十兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
えん摺付すりつけ其處が御衣役御圓頂役つむりやくなれば諸役人も一了簡りうけんかはり殊には御寺格じかくと申彼是助る儀も御座らんにより何卒命乞いのちごひ成下なしくださるゝ樣ひとへに願ひ奉つる此事御聞入下さらば假令たとへ私しのからだは如何樣に相なるとも聊かもくるしからず何卒主人の一命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)