“異”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちが31.2%
こと22.8%
11.6%
ことな10.4%
かわ8.4%
おつ4.2%
かは3.5%
あや3.2%
あやし1.3%
0.4%
0.4%
おか0.3%
0.3%
をか0.3%
ちげ0.1%
をかし0.1%
あやしみ0.1%
0.1%
かわん0.1%
ことなる0.1%
ことなること0.1%
ことに0.1%
ちがい0.1%
ちご0.1%
わざ0.1%
コト0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はッはッ、僕は大に君と説がちがう。君は小説をく知らんから一と口に戯作と言消して了うが、小説は科学と共に併行して人生の運命を……」
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
ちがった人種はよろしく、その容貌体格習慣挙動の凡てをかんがみて、一様には論じられない特種のものを造り出すだけの苦心と勇気とを要する。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すなわち明治政府において外国のかねを借り、またその人をやとうて鉄道海軍の事を計画けいかくしたるとごうことなるところなし。
すなわち人生のはたらきの一ヵ条たる喫煙も、その力よく発達すれば、わずかに数日の間に苦楽のおもむきことにするの事実を見るべし。
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「あい、約束した人が……約束と申しますと、なことに聞えましょうけれど、わたしを親身しんみにしてくれた人が待っているはずでございます」
だから突然この小舅こじゅうとと自分の間に御櫃おはちを置いて、互に顔を見合せながら、口を動かすのが、御米に取っては一種な経験であった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かの十二月八日の博士の日記には、いつもの大記載だいきさいとはことなり、わずかに次の一行が赤インキで書きつづられているだけであった。
三月みつき以前いぜん其前そのまへもさらにことなことをばはざりき、くちびるえぬは植村うゑむらといふ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
娘は、別にかわったこともありませんが、容色きりょうは三人のうちで一番かった——そう思うと、今でも目前めさきに見えますが。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さまこそかわれ十兵衛も心は同じ張りをもち、導かるるまま打ち通りて、人気のなきに寒さ一室ひとまうちにただ一人兀然つくねんとして
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ナントおつ出来でかしたではござらぬか、此詩このし懐中くわいちうしたれば、もんたゝいておどろかしまをさんかとは思ひしが
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
わらかしやがらあ。あたらしいくつ穿いたとおもつて、おつおれ他人たにんにしやがる。へん、してくんねえ。」
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
斯ういふ風に、人々の視線が集まつたのは、かく毛色のかはつた客が入つて来た為、放肆ほしいまゝな雑談をさまたげられたからで。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
東洋と西洋とは、その風俗習慣に就て、いろいろかはつた点が多い中で、特に黒子に関する観方ほどかはつてゐるものはなからうと思はれる。
東西ほくろ考 (新字旧仮名) / 堀口九万一(著)
ラーポ・サルテレルロの如き者その頃ありしならんには、チンチンナートやコルニーリアの今における如く、いとあやしとせられしなるべし —一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ここに日の耀ひかりのじのごと、その陰上ほとに指したるを、またある賤の男、その状をあやしと思ひて、恆にその女人をみなの行を伺ひき。
わがはかるところ正しくば、汝の登るはとある流れの高山よりふもとに下り行くごとし、何ぞあやしとするに足らんや 一三六—一三八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
おどろあやしんで、あと退さがって、しろうして見上みあげてゐる人間共にんげんども頭上とうじゃう
あからひくはだれずてたれどもこころしくはなくに 〔巻十一・二三九九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「その王たち一六ゐやなきに因りて退けたまへる、こはしき事無きのみ。それの奴や、おのが君の御手に纏かせる玉釧を、膚もあたたけきに剥ぎ持ち來て、おのが妻に與へつること」と詔りたまひて
さうして其後「ヒノ御前奉仕」とあつて、九月二十九日の祥月命日に祀りを営むよしが、唱へられてゐる。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
よく似ているからこの「あさにけに」の「けに」を「日に異に」の「に」と同じ意味に解釈しているものもありますが、「食」と「異」はケの乙類と甲類とにわかれていて、決して同じではありませぬ。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
廊下を通うおんなを呼び止めて、唄の主はたれと聞けば、顔を見ておかしく笑う。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
五十間で地廻りをなぐったことなど、縁に引かれ図に乗ってそれからそれへと饒舌しゃべり散らすうち、ふとのっそりの噂に火が飛べば、とろりとなりし眼を急に見張って、ぐにゃりとしていし肩をそばだて、冷とうなった飲みかけの酒をおかしく唇まげながら吸い干し
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わったことのおおせかな。お夏さんはッと見ている。帯も襟も、顔なんざその夕日にほんのりと色がさして、矢筈やはずの紺も、紫のように見えましたがね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弓を持っている者、棍棒こんぼうを持っている者、竹槍を小脇に抱えている者、騎馬の一団は一人残らず、各自めいめい得物を持っていたが、その扮装いでたちにはわりがなく、筒袖に伊賀袴を穿いていて、腰に小刀を帯びていた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところがをかしいこともあればあるもので、将門の方で貞盛を悪く思ふとか悪くうはさするとかならば、媢嫉猜忌ばうしつさいきの念、俗にいふ「やつかみ」で自然に然様さういふ事も有りさうに思へるが
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五十間で地廻りを擲つた事など、縁に引かれ図に乗つて其から其へと饒舌り散らす中、不図のつそりの噂に火が飛べば、とろりとなりし眼を急に見張つて、ぐにやりとして居し肩をそばだて、冷たうなつた飲みかけの酒ををかしく唇まげながら吸ひ干し
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「うん」と云うと若者は、その殺気立った燃えるような眼で、人混の中へ消え去ろうとする娘の姿を見送ったが、「ちげいねえよ、あの阿魔あまだよ」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そりゃあマアそうにちげえねえが……」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どうも私はこの間からをかしいわいと思つてゐたのですが、どうも様子がね、内のひとがあの別品さんに係合かかりあひを付けてゐやしないかと思ふの——どうもそれに違無いの!」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あんな者に係合かかりあつてゐた日には、末始終どんな事になるか知れやしない、それが私は苦労でね。内のひともあのくらゐ利巧で居ながらどうしたと云ふのでせう。今朝出掛けたのもどうもをかしいの、確に氷川へ行つたんぢやないらしい。だから御覧なさい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
頭に物を載せてあゆみ自らこれを知らざる人、ほかの人々の素振そぶりをみてはじめてあやしみの心をおこせば 一二七—一二九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
林「う邪魔にせなえでもえが、是でちゃんと縁附えんづくけまっているからね、知らず/\して縁はな物味な物といって、ちゃんときまっているからね」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ハアそうですか、それは。それでも母親さんは何時いつもおかわんなすったことも無くッて」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
暖地だんちの人花のちるくらべ美賞びしやうする雪吹ふゞきと其ことなること、潮干しほひあそびてたのしむ洪濤つなみおぼれくるしむとのごとし。
然れどもおなじきことなることを別たずして、倶に天皇のみことのりままに、相たすけてさかふること無からむ。し今より以後のちちかひの如くならずば、身命いのちほろび、子孫うみのこ絶えむ。忘れじあやまたじ。いつはしらの皇子みこ次を以て相盟ふこと先の如し。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
さい里子さとこは父をことにした僕の妹であったのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
王将、金銀、けいきょう、飛車、角、九ツの、数はかかる境にもちがいはなかった。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初めは私たちも熱に浮かされてそんなことをいうのか思うていましたが、そのころ病気の方はもうとうに良うなって、熱もないようになっているのにちごうたことをいい出したので、さあ、これは大変なことになった思うて心配しました。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
おれは咄嗟に都合よく女の情緒サンテイマンの調子を合せるやうな発想を得なかつたので、間に合せにこんな平凡なことを故意わざとらしいアクサンで云つて、並の女とわざらないやうな表情で嬉し相に其等の TOUTES CHOSES を見比べて居る女の顔をじつと見た。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
即、作者の胸中に於ける情調の傾向を、読者に感受せしむるのみにて足れりとするのであるから、人々によつて感覚、感情の比較的強度をコトにすることの多い言語の媒介によるよりも、寧ろ、情調を直通せしむるといふ方法を採る立ち場の出来る理由があるのである。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)