“あやし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
78.1%
6.6%
可怪4.6%
2.6%
1.3%
1.3%
不審0.7%
可恠0.7%
奇怪0.7%
0.7%
妖美0.7%
0.7%
怪事0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
へぼ探偵にちがいないと、昨日は内心がっかりしていたのに、予期に反してこの快報をもたらしたのであるから、愕きあやしんだ。
わがはかるところ正しくば、汝の登るはとある流れの高山よりふもとに下り行くごとし、何ぞあやしとするに足らんや 一三六—一三八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
段々だん/\むら遠退とほのいて、お天守てんしゆさびしくると、可怪あやし可恐おそろしこと間々まゝるで、あのふねものがいでくと、いま前様めえさまうたがはつせえたとほり……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
使あやしみながら彼のみたちきて、其のよしをいひ入れてうかがひ見るに、あるじの助をはじめ、令弟おとうとの十郎、二八家の子掃守かもりなど居めぐりて酒を酌みゐたる。師が詞のたがはぬをあやしとす。
紇はあやしみながらその声をしるべにしてあがって往くと、大きな洞門があって、その前の花の咲き乱れた木の下で、数十人の美女が蝶の舞うように歌い戯れていた。
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
則重公ふと眼覚めてあやしみ給ひ、何とて泣給ぞとおほせあり
意外な安二郎の迎えを豹一は不審あやしんだが、実はお前の母親のことやがとわざとお君とも女房ともいわずに喋り出した安二郎の話をきくと、事情が分った。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
お前に暇を出したとて、お松の口が塞がぬ上は、やつぱり嘘が真実まことになる。さうでなうても、この間から、衆婢みんな可恠あやしう思ふてゐる、素振りが見えるに、なほの事、腹が立つてたまらなんだも。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
してるとわたくしでなくとも、此樣こん想像さうざうおこるであらう、いま本船ほんせんあとふかの奇怪あやしふねあるひ印度洋インドやう大惡魔だいあくまかくれなき海賊船かいぞくせんで、先刻せんこくはるか/\の海上かいじようで、星火榴彈せいくわりうだんげ、火箭くわぜんとばして
こう申せば何ですが、四ツ谷の空の一方には、あやしい雲が立上っておだやかならぬ兆候きざしが見えて、今にも破裂しそうで、気にかかってなりません。打棄うっちゃっておいてはお互の身の上でしょう。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼も妻戸をほのぐらく垂れこめて、青金せいきん砂子すなごのみが妖美あやしく光るふすまの隅に、薬湯くすりの番をしている侍女かしずきたちも、そこを隔てた姫の部屋をはばかるようにして、低声こごえに答えるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これによりて活胴いきどうを試みたく、ひそかに柳原の土手へ出で往来の者を一刀に殺害しけるが、ある夜飛脚を殺し、きっさきの止まりたるをあやしみ、懐中を探れば金五十両を所持せり。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
怪事あやし婦人ふじんかたけて連理れんり椅子いすならべたのは、美少年びせうねんのそれにあらず。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
生きこゆるかとあやしまる。