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怪
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あやし
ふりがな文庫
“
怪
(
あやし
)” の例文
不気味に
凄
(
すご
)
い、魔の小路だというのに、
婦
(
おんな
)
が一人で、湯帰りの
捷径
(
ちかみち
)
を
怪
(
あやし
)
んでは
不可
(
いけな
)
い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
へぼ探偵にちがいないと、昨日は内心がっかりしていたのに、予期に反してこの快報をもたらしたのであるから、愕き
且
(
か
)
つ
怪
(
あやし
)
んだ。
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
魔
(
ま
)
の
日
(
ひ
)
魔
(
ま
)
の
刻
(
こく
)
——
亞尼
(
アンニー
)
の
顏
(
かほ
)
——
微塵
(
みじん
)
に
碎
(
くだ
)
けた
白色檣燈
(
はくしよくしようとう
)
——
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
——
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
などが
更
(
かは
)
る/\
夢
(
ゆめ
)
まぼろしと
腦中
(
のうちゆう
)
にちらついて
來
(
き
)
たが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
江戸表より
所持
(
しよぢ
)
仕つり歸國の節
箱根
(
はこね
)
山向ふより
怪
(
あやし
)
き者兩三人後になり先になり付參り
既
(
すで
)
に
瀬戸川
(
せとがは
)
まで來かゝりし時は三人の者
難題
(
なんだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不好
(
いや
)
な
處
(
ところ
)
へいや/\ながら
出
(
で
)
かけて
行
(
ゆ
)
くのかと
怪
(
あやし
)
まるゝばかり
不承無承
(
ふしようぶしよう
)
にプラツトホームを
出
(
で
)
て、
紅帽
(
あかばう
)
に
案内
(
あんない
)
されて
兔
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
茶屋
(
ちやゝ
)
に
入
(
はひ
)
つた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
老師の部屋へも彼は
殆
(
ほとん
)
ど行かなくなつた。老師は
却
(
かえ
)
つて時々、彼の
容子
(
ようす
)
を
怪
(
あやし
)
んで見舞つて来た。が、彼は言葉すくなに炉へ炭をくべてゐた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
怪
(
あやし
)
むべき
哉
(
かな
)
、
曾
(
かつ
)
て
経
(
へ
)
たりし
塲
(
ところ
)
をそのままに夢むる
例
(
ためし
)
は有れ、
所拠
(
よりどころ
)
も無く夢みし跡を、
歴々
(
まざまざ
)
とかく目前に見ると云ふも有る事か。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
尤も娘を誘惑できるやうな有為な騎士ではないから、実は、娘に案内させて、
怪
(
あやし
)
げな喫茶店へ赴くのである。即ちこれ不良少女の巣窟である。
探偵の巻
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
日本國中
(
につぽんこくちう
)
の
人民
(
じんみん
)
此改暦
(
このかいれき
)
を
怪
(
あやし
)
む
人
(
ひと
)
は
必
(
かなら
)
ず
無學文盲
(
むがくもんまう
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
なり。これを
怪
(
あや
)
しまざる
者
(
もの
)
は
必
(
かなら
)
ず
平生
(
へいぜい
)
學問
(
がくもん
)
の
心掛
(
こゝろがけ
)
ある
知者
(
ちしや
)
なり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「あれは、私の相手を勤めた婦人は、井上次郎の細君だったのか」そして、云い難き
悔恨
(
かいこん
)
の
情
(
じょう
)
が、私の心臓をうつろにするかと
怪
(
あやし
)
まれました。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
当時
髻
(
もとどり
)
を麻糸で
結
(
ゆ
)
い、
地織木綿
(
じおりもめん
)
の衣服を
著
(
き
)
た弘前の人々の中へ、江戸
育
(
そだち
)
の五百らが
交
(
まじ
)
ったのだから、物珍らしく思われたのも
怪
(
あやし
)
むに足りない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
𤢖は
此
(
こ
)
の雪の夜に、
何処
(
どこ
)
からか若い女を
攫
(
さら
)
って来たのであろう。お葉は
愈
(
いよい
)
よ驚き
怪
(
あやし
)
んで、
猶
(
なお
)
も
窃
(
ひそ
)
かに
其
(
そ
)
の
成行
(
なりゆき
)
を窺っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「おや何かしらん」と
怪
(
あやし
)
みつつ
漸々
(
ようよう
)
にその
傍
(
わき
)
へ
近付
(
つかづ
)
いて見ると、岩の上に若い女が
俯向
(
うつむ
)
いている、これはと思って横顔を
差覘
(
さしのぞ
)
くと、
再度
(
ふたたび
)
喫驚
(
びっくり
)
した。
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
これも女学校の二年生だから不思議はないが、小さい連中の切符は誰が切って貰うのだろうと
怪
(
あやし
)
んでいると、続いて四人、尋常一年の喜三郎君まで
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
人のこの世に生存するは毎日の食物を摂するがためなり。食物は生存の
大本
(
たいほん
)
なるに
世人
(
せじん
)
の深く注意せざるは
怪
(
あやし
)
むべし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
彼の苦言もただヨブより
哀哭
(
あいこく
)
の反覆を引き出したのみに終った。神の言であるという聖書に、かく友に対する無情なる語あるを
怪
(
あやし
)
む人があるであろう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
怪
(
あやし
)
んで附近の状況を調べてみると東作の部屋に繋がっている
呼鈴
(
よびりん
)
と、S市に通ずる電話線が切断されている。
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あるいは三角や四角の恋愛を臆面もなく
手柄顔
(
てがらがお
)
に告白するのを少しも
怪
(
あやし
)
まない今から考えると、ただこれだけで葬むられてしまったのは誠に気の毒であった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼は西洋の小説を読むたびに、そのうちに
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る男女の情話が、あまりに
露骨
(
ろこつ
)
で、あまりに放肆で、且つあまりに直線的に濃厚なのを平生から
怪
(
あやし
)
んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶像
(
ぐうぞう
)
の利益
功力
(
こうりよく
)
を失ふと云ふが如き
考
(
かんが
)
へは存し得べき事にして、
尊崇
(
そんすう
)
すべき物品が
食餘
(
しよくよ
)
の
汚物
(
おぶつ
)
と共に同一所に捨てられしとするも敢て
怪
(
あやし
)
むべきには非ざるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
人々大に
怪
(
あやし
)
みおそれて
逃
(
にげ
)
んとするも
在
(
あり
)
しが、
剛気
(
がうき
)
の者雪を
掘
(
ほり
)
てみるに、まづ女の
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
雪中に
顕
(
あらはれ
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
答なき銀子の長き
睫毛
(
まつげ
)
には露の玉をさへ貫くに梅子はいよゝ
怪
(
あやし
)
みつ「貴女、何かおありなすつて——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
女狂い
賭博狂
(
ばくちぐる
)
いをするでもなければ身の廻りを飾るでもないから、誰も
怪
(
あやし
)
むものがない、それでいよいよ捕われるまでは七兵衛の大罪を知るものはなかったわけです。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
釈迦牟尼
(
しゃかむに
)
の其生の初に
為
(
せ
)
られた処をされねばならなかったか? 世間は誰しも斯く驚き
怪
(
あやし
)
みました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
やがて日暮るるほどにはらはらと時雨のふり来る音に
怪
(
あやし
)
みて
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を見ればただ
物凄
(
ものすご
)
く出でたる十日ごろの片われ月、覚えず身振ひして誰も美はここなりと
合点
(
がてん
)
すべし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
実見せしこと
度々
(
たび/\
)
なれば別に
怪
(
あやし
)
とも思わず
唯
(
た
)
だ余が
大
(
おおい
)
に怪しと思いたるは老人の顔の様子なり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
巡査先生
之
(
これ
)
を見て
怪
(
あやし
)
んだのである。獣医を呼ぶまでもなしと予が
云
(
い
)
うたので。家内安心した
牛舎の日記
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
しきりと私達を
怪
(
あやし
)
むように
吠
(
ほ
)
えた。この犬は番人に飼われて、
種々
(
いろいろ
)
な役に立つと見えた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人でそろって行くのは
怪
(
あやし
)
まれるおそれがあるので、祥子だけは下に待たしてあった。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
エモンを字の
如
(
ごと
)
くイモンと読んで
衣
(
きぬ
)
に
附
(
つ
)
けた
紋
(
もん
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
た
小説家
(
せうせつか
)
があつたさうだが、
或
(
ある
)
若
(
わか
)
い
御新造
(
ごしんぞう
)
が
羽織
(
はをり
)
を
幾枚
(
いくまい
)
こしらへても、
実家
(
じつか
)
の
紋
(
もん
)
を附けるのを隣の
老婢
(
ばあや
)
が
怪
(
あやし
)
んでたづねると
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
夜中
(
やちゅう
)
真黒
(
まっくら
)
な中に坐禅ということをしていたのか、坐りながら眠っていたのか、眠りながら坐っていたのか、今夜だけ偶然にこういう
態
(
てい
)
であったのか、始終こうなのか、と
怪
(
あやし
)
み
惑
(
まど
)
うた。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
君子の信ずるところは小人の疑うところとなり、老婆の
安
(
やすん
)
ずる所は少年の笑うところとなる。新を
貪
(
むさぼ
)
る者は
陳
(
ちん
)
を
嫌
(
きら
)
い、古を好む者は
奇
(
き
)
を
怪
(
あやし
)
む。人心の
同
(
おなじ
)
からざる、なおその面のごとし。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
虚々
(
うかうか
)
とおのれも里の
方
(
かた
)
へ
呻吟
(
さまよ
)
ひ出でて、或る人家の
傍
(
かたわら
)
を
過
(
よぎ
)
りしに。ふと聞けば、垣の
中
(
うち
)
にて
怪
(
あやし
)
き
呻
(
うめ
)
き声す。耳傾けて立聞けば、
何処
(
どこ
)
やらん黄金丸の
声音
(
こわね
)
に似たるに。今は少しも
逡巡
(
ためら
)
はず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
もとより口実だったのでしょうけれども、聞く人もそれを
怪
(
あやし
)
まなかったのです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
然
(
しか
)
るに
病院
(
びやうゐん
)
の
中
(
うち
)
では
院長
(
ゐんちやう
)
アンドレイ、エヒミチが六
號室
(
がうしつ
)
に
切
(
しきり
)
に
通
(
かよ
)
ひ
出
(
だ
)
したのを
怪
(
あやし
)
んで、
其評判
(
そのひやうばん
)
が
高
(
たか
)
くなり、
代診
(
だいしん
)
も、
看護婦
(
かんごふ
)
も、一
樣
(
やう
)
に
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
行
(
ゆ
)
くのか、
何
(
なん
)
で
數時間餘
(
すうじかんよ
)
も
那麼處
(
あんなところ
)
にゐるのか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
三膳出しましたと
云
(
いっ
)
て、
却
(
かえ
)
ってこの男を
怪
(
あやし
)
んだ、
爰
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
てこの男は主人の妻子が
付纏
(
つきまと
)
って、こんな不思議を見せるのだと思い、
迚
(
とて
)
も
逭
(
のが
)
れぬと観念した、
自訴
(
じそ
)
せんと
取
(
とっ
)
て
返
(
か
)
えす途上
捕縛
(
ほばく
)
されて
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
私が
怪
(
あやし
)
んで聞くと、このさきの砂川(遠州)が止まったといった、それで日はまだ高いのに
掛川
(
かけがわ
)
に泊った。しかし幸にして翌日川が開けた。砂川は小さな川であるが忽ち増水する川であった。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
と思わず声を放ちて祈りますると、島人は不思議そうに文治の顔を見ては、
何
(
ど
)
うかされるのかと
怪
(
あやし
)
んで居りまする。文治はそれと心付きて、島人を励まし、自分も力を添えて舟を
操
(
あやつ
)
りましたが
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
上級の生徒は、少しそれに不服であつた。然し私は何も
怪
(
あやし
)
まなかつた。何故なれば、藤野さんは其頃、學校中で、村中で、否、當時の私にとつての全世界で、一番美しい、善い人であつたのだから。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「僕ぁ十日ばかり前に新聞で、こんな名の外国船が入港した記事を見たように思ったので訊いたら、正に入港していたし、今日夕刻、こそこそと出帆した
容子
(
ようす
)
までが相違なく
怪
(
あやし
)
いと睨んだのです。」
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
金太もおいてけ堀の
怪
(
あやし
)
い話は聞いていた。
おいてけ堀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
憐
(
あはれ
)
みてや
惠
(
めぐ
)
むともなき
惠
(
めぐ
)
みに
浴
(
よく
)
して
鹽噌
(
えんそ
)
の
苦勞
(
くらう
)
は
知
(
し
)
らずといふなるそは
又
(
また
)
何處
(
いづこ
)
の
誰
(
た
)
れなるにや
扨
(
さて
)
も
怪
(
あやし
)
むべく
尊
(
たつと
)
むべき
此慈善家
(
このじぜんか
)
の
姓氏
(
せいし
)
といはず
心情
(
しんじやう
)
といはず
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
さこそと
知
(
し
)
るは
唯
(
ひと
)
りお
高
(
たか
)
の
乳母
(
うば
)
あるのみ
忍
(
しの
)
び/\の
貢
(
みつぎ
)
のものそれからそれと
人手
(
ひとで
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いずれもその
怪
(
あやし
)
き物の姿を見ざる趣なり。あとの三羽の烏出でて輪に加わる頃より、画工全く立上り、我を忘れたる
状
(
さま
)
して踊り
出
(
いだ
)
す。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
の
白色檣燈
(
はくしよくしやうとう
)
は
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
檣燈
(
しやうとう
)
と
並行
(
へいかう
)
になつた——
早
(
は
)
や、
彼方
(
かなた
)
の
右舷
(
うげん
)
の
緑燈
(
りよくとう
)
は
我
(
わ
)
が
左舷
(
さげん
)
の
紅燈
(
こうとう
)
を
尻眼
(
しりめ
)
にかけて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
借
(
かり
)
て
働
(
はたら
)
かせしが其の夜は
遲
(
おそ
)
く
成
(
なり
)
しかば翌朝
歸
(
かへ
)
しけるに
早
(
はや
)
辰刻頃
(
いつゝごろ
)
なるに隱居所の
裏口
(
うらぐち
)
締
(
しま
)
り居て未だ起ざる樣子なれば大いに
怪
(
あやし
)
み
何時
(
いつ
)
も早く目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(たしかに、おかしい。あの兵士等の、
鉄冑
(
てつかぶと
)
の
被
(
かぶ
)
り
様
(
よう
)
は
怪
(
あやし
)
い。姿勢も、よろしくない。うン、これは、
真正
(
ほんと
)
の軍隊ではない。それならば、よオしッ)
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
貫一が胸は
益
(
ますます
)
苦
(
くるし
)
く成り
愈
(
まさ
)
りぬ。彼を
念
(
おも
)
ひ、これを思ふに、生きて在るべき心地はせで、
寧
(
むし
)
ろかの
怪
(
あやし
)
き夢の如く成りなんを、快からずやと疑へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私は世間の家で庭へ草が生えると草取男を雇って取らせるのに、
何故
(
なぜ
)
台所のために蠅取男を雇わないかと
怪
(
あやし
)
みます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
狂人
(
きちがい
)
か、乞食か、
但
(
ただ
)
しは
彼
(
か
)
の
山𤢖
(
やまわろ
)
の
眷族
(
けんぞく
)
か、殆ど正体の判らぬ
此
(
こ
)
の老女を一目見るや、市郎も
流石
(
さすが
)
に
悸然
(
ぎょっ
)
とした。トムが
怪
(
あやし
)
んで吠えるのも無理は無い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それゆえ天元五年に成って、
永観
(
えいかん
)
二年に
上
(
たてまつ
)
られた『医心方』が、
殆
(
ほとん
)
ど九百年の後の世に
出
(
い
)
でたのを見て、学者が血を
涌
(
わ
)
き立たせたのも
怪
(
あやし
)
むに足らない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“怪”の意味
《名詞》
(カイ)あやしいこと。あやしいもの。
(出典:Wiktionary)
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“怪”を含む語句
怪物
怪訝
奇怪
妖怪
怪奇
可怪
怪異
怪談
怪鳥
醜怪
怪力
女怪
勿怪
物怪
怪火
怪体
奇々怪々
怪談噺
怪猫
妖怪的
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