“曾”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
かつ83.6%
11.5%
そう1.2%
かつて1.0%
0.7%
つひ0.5%
くわい0.2%
さあら0.2%
すなわ0.2%
ひい0.2%
まえ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はかつて自己の完成といふことを説いた。又自己の『自然』大にまで生長して行くことを説いた。しかし、それは多くは誤解された。
自からを信ぜよ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
何時の間にか私はむさぼるように見入っていた。私はつてこれと似た感情を持ったことがある。それは一昨年刑務所へ行っていたときだった。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
陶はもとから酒が強かったから、従ってぐでぐでに酔うことはなかった。馬の友人にそうという者があったが、これも酒豪で相手なしときていた。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何んてまあ変わって了ったんだろう? 彼は蒼白まっさおの顔をして(かつてはそれは活々としたピンク色を呈していたではないか。)波斯ペルシャ模様のかもを掛けた長榻ながいすに深く身を埋め
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しているのは、山かと見れば山ではないようだ。これは出雲の石𥑎いわくまの宮にお鎭まりになつているアシハラシコヲの大神をお祭り申し上げる神主の祭壇であるか
はて、其前そのぜんには、もそっと些細ささいことで、いくたびも夜明よあかしをしたものぢゃが、つひ病氣びゃうきなぞになったことはいわい。
げにも浮世うきよ音曲おんぎよく師匠ししやうもとしかるべきくわいもよほことわりいはれぬすぢならねどつらきものは義理ぎりしがらみ是非ぜひたれて此日このひ午後ひるすぎより
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
季子然きしぜん問う、仲由と冉求ぜんきゅうとは大臣だいしんと謂うべきか。子曰く、吾子を以て異(他事)を問うならんとおもいしが、さあらで由と求とのことをしも問えるか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
すべからざるにおいてすらおかつ為す、丈夫の本領おのずからかくの如し。名を正し分を明らかにし心すなわち信あり、なつを尊び夷を攘うの義に疑がわんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ひいじいさんかが、切支丹キリシタンの邪宗に帰依きえしていたことがあって、古めかしい横文字の書物や、マリヤさまの像や、基督キリストさまのはりつけの絵などが、葛籠つづらの底に一杯しまってあるのですが
鏡地獄 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
時刻の判然はっきりしないのには困りますネ、西洋では五分の違いで有罪と無罪と分れたという実例もありますが、左様は我国では参りませんネ、まえに一高の教授が
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
銘記メイキセヨ ツテ梁党リョウトウ宣言センゲンニシテ 必ズオコナワザルハ無キ事ヲ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)