“判然”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
はっきり64.0%
はつきり13.6%
わか7.0%
はんぜん6.2%
はっき2.5%
きっぱり1.7%
はき1.2%
はきはき0.8%
はツきり0.8%
わから0.8%
(他:3)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“判然”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸30.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.9%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
岩松の話は、疑う余地のないほど判然はっきりしておりますが、平次は喜三郎と笹野新三郎を顧みて、何やらうなずき合いました。
しかし叔父の使った文句の意味は、頭の発達しない当時よく解らなかったと同じように、今になっても判然はっきりしなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
う云ふ意味の孤独のそこおちいつて煩悶するには、代助のあたまはあまりに判然はつきりすぎてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
するとね、夜目よめ判然はつきりとはらなんだが地体ぢたいなんでも洞穴ほらあながあるとえる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白いまだらと見えたのは顔や、手足や、服の破れ目から露出した死人の皮膚で、それが何千あるか、何万あるか判然わからない。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そんな光景を見るともなく見まわしているうちに福太郎は、ヤット自分が仕出かした事が判然わかったように思った。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
半紙に認ためられたものはことごとく鉛筆の走り書なので、光線の暗い所では字画さえ判然はんぜんしないのが多かった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕の心持が何かの調子でやわらげられたのか、千代子の僕に対する態度がどこかで角度を改ためたのか、それは判然はんぜんと云いにくい。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おそらくその苦しさは、大きな広告のように、私の顔の上に判然はっきりした字でり付けられてあったろうと私は思うのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
下唇したくちびるのわざとらしく色めいて、しかも判然はっきと口を切らぬ瞬間に、切り付けられたものは、必ず受け損う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いや、江戸ッだ。」と誰かの声色こわいろで、判然きっぱりとなる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とのみ。渠は判然きっぱりとものいえり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
会話はまた切れる。二百十日の風と雨と煙りは満目まんもくの草をうずめ尽くして、一丁先はなびく姿さえ、判然はきと見えぬようになった。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
消えて行くすべてのものの上に、星ばかり取り残されて、それすらも判然はきとは映らぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
男のように判然はきはきしたところのある奥さんは、普通の女と違ってこんな場合には大変心持よく話のできる人でした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まるであなた鉄砲玉のようで——あれも、始終しじゅう身体からだが悪いとか申して、ぐずぐずしておりますから、それならば、ちと旅行でもして判然はきはきしたらよかろうと申しましてね——でも、まだ、何だかだと駄々をねて、動かないのを、ようやく宗近に頼んで連れ出してもらいました。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なに何年位なんねんぐらゐまへおこつたこと判然はツきりりませんでした
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
判然はツきりいはれたのでわしはびく/\もので、
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ことに又ぞろ母からの無理な申込で頭を痛めたせいか、その夜は寝ぐるしく、怪しい夢ばかり見て我ながら眠っているのか、覚めているのか判然わからぬ位であった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そのうちに眼がボウ——ッとなって来て、これは大変おおごとが出来たと思うた時にはモウ横に寝ているやら、座っているやら自分でも判然わからんようになっております。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いちは、ちゝ暴怒ぼうどに対する自己の反動を、心理的に利用して、判然きつぱりことわらうと云ふ下心したごゝろさへあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この娘を二度とここのうちへ入れないと云うのは嘘だ。お前の顔に判然ちゃんと書いてある。ははははは。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「痛いよ。だッて、お前さん。角川の若旦那には判然ちゃんとお嫁さんがきまってると云うじゃアないか。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
入江のなかは、グリン色の澄みとほつた水で、海底の岩や藻や、空罐あきくわんの光りまで判然はつきりと見えた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
眼を閉ぢると、自分の皮膚の筋肉の間をとほつて、心臓の音が、いやに判然はつきりと耳についた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)