“渋色”の読み方と例文
旧字:澁色
読み方割合
しぶいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じような行商姿のたばこ売り、これまた渋色しぶいろ巻頭巾まきずきんをしたのが、店へたばこを仕入れに来て、ちょいと、九兵衛の方へ目まぜをする。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肉はひからび、皮しなびて見るかげもないが、手、胸などの巌乗がんじょうさ、渋色しぶいろ亀裂ひびが入つて下塗したぬりうるしで固めたやう、だ/\目立つのは鼻筋の判然きっぱりと通つて居る顔備かおぞなえと。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
渋色しぶいろの濃いなかにぽつりと穴があく。隣りにもあく、その隣りにもぽつりぽつりとあく。一面が穴だらけになる。心細いと枯れた葉が云う。心細かろうと見ている人が云う。ところへ風が吹いて来る。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)