“亀裂”のいろいろな読み方と例文
旧字:龜裂
読み方割合
ひび43.4%
きれつ42.2%
ひゞ4.8%
クレヴァス1.2%
さけ1.2%
ひびあと1.2%
ひびい1.2%
ひわれ1.2%
ひヾ1.2%
ギャップ1.2%
シュルンド1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お岩は苦しい体をひきずるようにして、台所から亀裂(ひび)の入った火鉢を出して来た。そして、それに蚊遣りをしかけながら宅悦を見た。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
螺旋形(らせんがた)の階段は一階から屋根下まですっかり亀裂(きれつ)して、こわれた貝殻の内部のような観を呈している。階段は二連になっている。
へえー芝居(しばゐ)にありさうですな、河竹(かはたけ)新(しん)七さんでも書きさうな狂言(きやうげん)だ、亀裂(ひゞ)皹(あかぎれ)を隠(かく)さう為(た)めに亭主(ていしゆ)は熊(くま)の膏薬売(かうやくう)り、イヤもう何処(どこ)で何(ど)う云(い)ふ方(かた)にお目にかゝるか知れません。
氷河へ行けば大きな亀裂(クレヴァス)がある。吹雪は吹く。まるで琺瑯引(ほうろうび)きの便所の壁のように、つるつるした氷の崖なんかがあって、女の子なぞには手も足も出るもんじゃないよ。
甃石(しきいし)の亀裂(さけ)ている個所もあり、玄関へ上る石段の磨滅(すりへ)っている家もあったが、何処の家にも前世紀の厳めしいポーチと、昔の記憶を塗込めた太い円柱(まるばしら)があった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
おまっちゃんは露路の方を睨(ね)めて泣きたいのを堪えていた。大紙屋の白壁蔵の壁には大きな亀裂(ひびあと)があって、反対の算盤屋(そろばんや)の奥蔵は黒壁で、隅の方のこんもりした竹が冷(すず)しく吹いている。
そのうち冬は完(まった)きまでに、この巷の公園の樹の肌に凍えつき、安建築を亀裂(ひびい)らせるような寒さを募らした。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
書斎も母屋(おもや)も壁の亀裂(ひわれ)もまだ其ままで、母屋に雨のしと降る夜はバケツをたゝく雨漏りの音に東京のバラックを偲(しの)んで居ます。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
此頃の旱(ひでり)に亀甲形(きつかふがた)に亀裂(ひヾ)の入(い)つた焼土(やけつち)を踏んで、空池(からいけ)の、日が目(め)を潰(つぶ)す計りに反射(はんしや)する、白い大きな白河石(しらかはいし)の橋の上に腰を下(おろ)した。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
二人の間には、大きな亀裂(ギャップ)が口をあけ始めていた。
青木の出京 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼は相当うまくやった。ところが、また困ったことが起きた。命の綱とたのむ岩の橋に大きな亀裂(シュルンド)が入って空中で断ち切れていることだった。その間隔は少なくも六フィートはあった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)