“クレヴァス”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
氷罅44.4%
亀裂11.1%
割目11.1%
氷河裂罅11.1%
氷裂11.1%
裂罅11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、米大州に現われたはじめての日本領を、政府が追認するのを切に祈りながら……。氷罅クレヴァスのなかでブランブランに揺れていたのだ。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
氷河へ行けば大きな亀裂クレヴァスがある。吹雪は吹く。まるで琺瑯引ほうろうびきの便所の壁のように、つるつるした氷の崖なんかがあって、女の子なぞには手も足も出るもんじゃないよ。
この亀裂クレヴァスに落ちたが最後、二度とこの世の光りは見られない。ガイヤアルは亀裂クレヴァスの上にかかった薄い氷の橋を、ほじくり返しかき廻し、雪か氷か確かめては渡ってゆく。
こんどは、かねて話に聞いていた氷河の割目クレヴァスにつかまった。
白雪姫 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
洞内が、なんともいえない美しさににじんでゆくのだ。裂け目や条痕の影が一時に浮きあがり、そこに氷河裂罅クレヴァスのような微妙な青い色がよどんでいる。淡紅色ときいろの胎内……、そこをいずる無数の青蚯蚓みみず
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
氷裂クレヴァスを迂回するか、突貫するか、自由な判断のもとに決定し、極地の大氷原を自在に料理し去ってこそ、探検といえるのだろう。
南極記 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこは、たぶんめずらしい“Niche riftニーチ・リフト”ではないのか。つまり、壺形をした渓という意味で、上部は、子安貝に似た裂罅クレヴァス状の開口。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)