“淡紅色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ときいろ65.5%
たんこうしょく16.4%
うすべにいろ5.5%
ももいろ3.6%
うすあかいろ1.8%
うすくれない1.8%
たんこうしよく1.8%
もゝいろ1.8%
ピンク1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紙包の中には、洋紙の帳面が一册に半分程になつた古鉛筆、淡紅色ときいろメリンスの布片きれに捲いたのは、鉛で拵へた玩具の懷中時計であつた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いつも、がたが、ななめにここへすころ、淡紅色たんこうしょくちいさなちょうがどこからともなくんできて、はなうえまるのでした。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たちは、自分じぶんらも明日あすつかどうかということについて、相談そうだんしました。このとき、かわいらしい淡紅色うすべにいろ高山植物こうざんしょくぶつはなかおをこちらにけて
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
戻って柳橋の袂を往復ゆきかえりして、淡紅色ももいろ洋脂ぺんきが錆にはげた鉄欄の間から、今宵は神田川へ繋り船のかみさんが、桶をふなばたへ載せて米を磨いで居る背中に、四歳よっつばかりの小児こどもが負われながら仰反のけぞって居るのを
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
黄金色こがねいろのものではしなのきんばい、みやまきんぽうげ、しろくておほきな、うめはなたものにははくさんいちげ、淡紅色うすあかいろのいはかゞみ、かわいらしいみやまをだまきなど澤山たくさん種類しゆるいがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
七つの落ち葉の山、つまで焼きて土曜日の夜はただ一つを余しぬ。この一つより立つ煙ほそぼそと天にのぼれば、淡紅色うすくれないかすみにつつまれて乙女おとめの星先に立ち静かに庭に下れり。
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
バルタザルが館の正面は白塗で、それに大さの違ふ淡紅色たんこうしよくの大理石で刻んだロゼツトが二つ嵌めてあつた。それが化石した花のやうに見えた。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
家主に開いてもらひ内へいりし時勘太郎もつゞいあとより這入はひりしに付偖は刄物を洗ひしは勘太郎に相違なしと存じ其夜はいね翌朝よくてう天水桶を見て候へば淡紅色もゝいろになり桶にも血の付き有る故勘太郎は何方いづかたにて人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)