“布片”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれ76.7%
ぬのきれ18.3%
ぬの1.7%
ぬのぎれ1.7%
ふへん1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死体をかついでいたのはジャン・ヴァルジャンです。かぎを持っていたのは、現にかく申し上げてる私です。そして上衣の布片きれは……。
しかもその兵隊達はみんな、無茶先生の香水を嗅がせられてくしゃみの出ないように、鼻の上から白い布片ぬのきれをかぶせて用心をしています。
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
しかし窮乏はもう布片ぬのも、若干の金をも畝の上に置かせなかった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
すると由平の指に水に濡れた布片ぬのぎれのような物が触れた。由平はおやと思って眼をあげた。其処には何人たれかが立っていた。
阿芳の怨霊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
このたけ高く細長き女の真白まっしろき裸体は身にまとへる赤き布片ふへんと黒く濃き毛髪とまた蒼然そうぜんたる緑色の背景と相俟あいまつてしん驚愕きょうがくすべき魔力を有する整然たる完成品たり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)