“ときいろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡紅色38.2%
朱鷺色32.6%
水紅色9.0%
鴇色5.6%
鴾色3.4%
時色2.2%
薄紅色2.2%
鵇色2.2%
桃紅色1.1%
淡紅1.1%
(他:2)2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モウ五六間も門口の瓦斯燈から離れてよくは見えなかつたが、それは何か美しい模樣のある淡紅色ときいろ手巾ハンカチであつた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その女は紫の着物を着て淡紅色ときいろの袖口で顔をおほうて居たが、彼女の前に来て、ふっと驚いたやうに目を見開いた。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
藍色がかった、おぶい半纏ばんてんに、朱鷺色ときいろの、おぶい紐を、大きくゆわえた、ほんの不断着ふだんぎと云った姿。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひさしへ張って、浅葱あさぎに紺の熨斗のし進上、朱鷺色ときいろ鹿の子のふくろ字で、うめという名が一絞ひとしぼり
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
帆の白きより白衣びゃくえの婦人、水紅色ときいろなるがまた一人、続いて前後に船を離れて、左右に分れて身軽に寄った。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唯、背負紐おぶいひもが、お待ち下さい——段々だんだんに、迷いは深くなるようですが——紫と水紅色ときいろ手綱染たづなぞめです。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
傾いた陽が斜めからさして、透明な碧色みどりいろにぼかされた山なみの上に、蔵王の雪が鴇色ときいろに輝いていた。
鴇色ときいろの帯揚げがはみ出し、髪へ掛けた鹿の子の布が、蝋細工のような耳朶のあたりで揺れているさまなど、傷ましく哀れではあったが
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若草は藤掛色の室着を羽織り、山繭やまゝゆの長襦袢に、鴾色ときいろのしごきを乳の下から、巾広にして身重の腹を締めて居りまする。
襟も袖口も帯も鴾色ときいろをつけて、同じく鴾色の覗く八つ口へ白い両手を突込んでつてゐた。
小町の芍薬 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
細かに見ればたでの花は白混りの薄紅であるが、受ける感じは白がちの時色ときいろである。
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
お勢は黄八丈の一ツ小袖に藍鼠金入繻珍あいねずみきんいりしゅちんの丸帯、勿論もちろん下にはおさだまりの緋縮緬ひぢりめん等身ついたけ襦袢、此奴こいつも金糸で縫のッた水浅黄みずあさぎ縮緬の半襟をかけた奴で、帯上はアレハ時色ときいろ縮緬、統括ひっくるめて云えばまず上品なこしらえ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
薄紅色ときいろに深く唐草からくさを散らした壁紙に、立ちながら、手頃に届く電鈴ベルを、白きただ中に押すと、座に返るほどなきにこたえがある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
扮装なりは黒縮緬に変り裏の附きましたのに帯はございませんで、薄紅色ときいろのしごきを幾重にも巻附けまして、丸髷は根が抜けてがっくりと横になって、びんの髪も乱れて櫛簪揷かんざしも抜けて居てありませんで
裁縫しごとの手をめて、火熨に逡巡ためらっていた糸子は、入子菱いりこびしかがった指抜をいて、鵇色ときいろしろかねの雨を刺す針差はりさしを裏に、如鱗木じょりんもくの塗美くしきふたをはたと落した。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頬から、あごから、耳の下をくびに掛けて、障ったら、指に軽い抗抵をなしてくぼみそうな、鵇色ときいろの肌の見えているのと、ペエジをかえす手の一つ一つの指の節に、えぐったような窪みの附いているのとの上を、純一の不安な目は往反おうへんしている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はやひとしきり採りあるきて、少しくたびれが来しと見え、女中に持たせし毛布けっとを草のやわらかなるところに敷かせて、武男はくつばきのままごろりと横になり、浪子なみこ麻裏草履あさうらを脱ぎ桃紅色ときいろのハンケチにて二つ三つひざのあたりをはらいながらふわりとすわりて、
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
萌黄もえぎ淡紅ときいろしどけないよる調度てうど部屋々々へや/″\にあからさまで、下屋したやはしには、あかきれ翻々ひら/\する。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白百合しろゆり大輪おほりん花弁はなびら透間すきまに、薄紅ときいろ撫子なでしこと、藤紫ふじむらさき小菊こぎくかすかいろめく
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
向岸の舟着場を見降ろす裏門の扉に、花びらの散る退紅色ときいろ被布コートを来た娘が、胸の上に袖を重ねてぐつたりと凭りかかつてゐた。
繰舟で往く家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)