“たんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡紅23.8%
炭坑19.0%
旦藁9.5%
炭鉱9.5%
端公4.8%
丹紅4.8%
探鉱4.8%
淡黄4.8%
炭礦4.8%
短後4.8%
貪饕4.8%
鍛工4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
池のほとりを逍遥して古い石像の欠けたのなどを木立こだちの中に仰ぎ、又林の中に分入わけいつて淡紅たんこうの大理石を畳んだ仏蘭西フランス建築の最も醇化されたトリアノンの柱廊にり掛り
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
木賃宿を泊り歩いているうちに周旋屋しゅうせんやにひっ掛って、炭坑たんこうへ行ったところ、あらくれの抗夫達がこいつ女みてえな肌をしやがってと、半分は稚児ちごいじめの気持と
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
青柿や壁土こねて休み居る 旦藁たんこう
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
大昔も、炭鉱たんこうで海底に出ているのもありましたね。ああいうものがもっと大仕掛おおじかけになったのです。人も住んでいます。街もあります。海底トンネルというのが昔、ありましたね。
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「たしかに、その首枷くびかせ野郎と端公たんこうの三人づれは、こっちの方角へ逃げたと途々みちみち聞いたんだ、兄貴にも知らせて、取ッ捕まえずにおくものか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうにも、こうにも、そんなお話しじゃあ、てまえ一存ではさばけません。とにかく、端公たんこうは連れたままでも、梁山泊までお越しなすって」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爪紅つまべにのやうに、しかしもつと情感的な丹紅たんこうみなぎらせながら、ピンと張りきつた彼女の腹部の皮膚が、その印象がきびしく自らの眼にあざやかだつた。
青いポアン (新字旧仮名) / 神西清(著)
今頃いまごろ探鉱たんこうなど来るはずあなぃな。)嘉吉は豆のもちを口に入れた。音がこちこちまたおこった。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
極度の白きをわざとけて、あたたかみのある淡黄たんこうに、奥床おくゆかしくもみずからを卑下ひげしている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
炭礦たんこうの煙りを浴びて、黒い呼吸いきをせぬ者は人間の資格はない。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
似而非えせ賢者何程なにほどのことやあらんと、蓬頭突鬢ほうとうとつびん垂冠すいかん短後たんこうの衣という服装いでたちで、左手に雄雞おんどり、右手に牡豚おすぶたを引提げ、いきおいもうに、孔丘が家を指して出掛でかける。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
爵位がたっとく、俸禄が厚いに係わらず、国に報ぜんことを思わないで、貪饕たんこうを務めて、鈔金しょうきん三百錠を受け、法をげて裁判をし、銀五百両を取って、理を非に枉げて良民を害したから
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
釈迦はその晩年、その思想いよいよ円熟するに従て全く菜食主義者ではなかったようである。見よ、釈迦は最後に鍛工たんこうチェンダというものの捧げたる食物を受けた。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)