“何程”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくら30.3%
なにほど22.2%
どれほど20.2%
なんぼ11.1%
いかほど6.1%
どんな4.0%
どのくれえ2.0%
どんなに2.0%
いく1.0%
いつかばち1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揃っていれば、勿論こんな店にあるべきものではないはずだが、それにしても何程いくらというだろうと、あたいを聞くと、ほんの端金はしたがねだった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
其時そのとき貴方あなたひとに、解悟かいごむかひなさいとか、眞正しんせい幸福かうふくむかひなさいとかこと効力かうりよくはたして、何程なにほどふことがわかりませう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
只だ人生の保証として、又事実として自分の有して居る感覚に何程どれほどの力があるか、此れを考えた時に吾々は斯く思わずには居られない。
絶望より生ずる文芸 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何程なんぼすれつからしなんだんべかねさんは、他人ひとのこと本當ほんたうに」とおつぎは手桶てをけいてみづうかんだあをかきかね博勞ばくらうげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何程いかほどばかりで是は御譲りに成る御積りなんですか。』と亭主は丑松の顔を眺めて、さも持余したやうに笑つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
心の有りたけを言ふのですよ——私だつて道時のことでは何程どんな耻づかしいことでも皆な打ち明けて、貴嬢に御相談したでせう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その親の子だからしてに、源さも矢張やっぱりあの通りだ、と人に後指をさされるのが、私は何程どのくれえまあ口惜くやしいか知んねえ
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「よう御座んす。沢山たんと仰い」と奥様はすこし甘えて、「ですがねえ、桜井さん、私は何程どんなに酔いたいと思っても、苦しいばかりで酔いませんのですもの」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「何、うめあわせをせよというか。いと易いことじゃ、何程いくらでもしよう。鉄棒の刺身はいかがじゃな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だって何程いつかばちのこともあるめえ。と落着く八蔵。得三はこうべを振り、いや、ほかの奴と違う。ありゃお前、倉瀬泰助というて有名な探偵だ。見ろ、あの頬桁ほおげたきずあとを。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)