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何程
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どれほど
ふりがな文庫
“
何程
(
どれほど
)” の例文
只だ人生の保証として、又事実として自分の有して居る感覚に
何程
(
どれほど
)
の力があるか、此れを考えた時に吾々は斯く思わずには居られない。
絶望より生ずる文芸
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『隠せ』——其を守る為には今日迄
何程
(
どれほど
)
の苦心を重ねたらう。『忘れるな』——其を繰返す度に何程の
猜疑
(
うたがひ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とを抱いたらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は
小鹿野
(
をかの
)
の奥の
権作
(
ごんさく
)
と申しますもので、長左衛門様には
何程
(
どれほど
)
御厚情を
蒙
(
かうむ
)
りましたとも知れませぬ、——
彼
(
あ
)
の
騒
(
さわぎ
)
で旦那様は
彼
(
あゝ
)
した御最後——が
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それを
此様
(
こん
)
な読方をして、
難有
(
ありがた
)
がって、
偶
(
たまたま
)
之を読まぬ者を
何程
(
どれほど
)
劣等の人間かのように
見下
(
みくだ
)
し、得意になって語る友も友なら、其を聴いて敬服する私も私だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
貴方は……あの
蕪木
(
かぶらぎ
)
君。私の友人、私の同志である蕪木君の妻であつた。その貴方を私は愛したため、私が
何程
(
どれほど
)
の犠牲を拂つたか、貴方はよつく御承知でせう。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
不気味と云へば
倫敦
(
ロンドン
)
の博物館の数室で見た
埃及
(
エヂプト
)
の
木乃伊
(
みいら
)
の幾十体の方が
何程
(
どれほど
)
不気味であつたか知れない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
日本人が昔から不朽なる光榮の象徴とした「松の
老木
(
おいき
)
」よりも、唯だ一語 Linden(菩提樹)と云ふ獨逸語は、
何程
(
どれほど
)
無限の感想を呼起すかと云ふやうな事から
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
追々世の中が
開
(
ひら
)
けて、華族様と平民と縁組を致すようになった当今のお子様方は、この島路の口上をお聞きなすっては、開けない奴だ、町人と職人と
何程
(
どれほど
)
の
違
(
ちがい
)
がある
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家一つ戴いて
何程
(
どれほど
)
の事があろう、
痩我慢
(
やせがまん
)
な行過ぎだと、小腹が立って帰りましたが、それといって棄てておかれぬ、直ぐにといってお嬢様が、ちょうどまたお加減が悪い処
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
応仁、文明、長享、延徳を
歴
(
へ
)
て、今は明応の二年十二月の初である。此頃は
上
(
かみ
)
は大将軍や管領から、
下
(
しも
)
は庶民に至るまで、哀れな鳥や獣となったものが
何程
(
どれほど
)
有ったことだったろう。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
またニュートンの力学の基礎は
輓近
(
ばんきん
)
相対原理の発展につれてぐらついて来たには相違ない。しかしこの原理の研究が
何程
(
どれほど
)
進んでも、ニュートンの力学が廃滅に帰するという訳ではあるまい。
方則について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ヂュリ
涙
(
なみだ
)
が
何程
(
どれほど
)
の
事
(
こと
)
をしませう、
生得
(
うまれつき
)
、
見
(
み
)
ともない
面
(
かほ
)
ぢゃもの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼は弟の手を
執
(
と
)
って過去の辛酸を語ろうともしなければ、留守中
何程
(
どれほど
)
の迷惑を掛けたろうと、深くその事を
詫
(
わ
)
びるでもなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私
何程
(
どれほど
)
一人で心を痛めたか
知
(
しれ
)
ないワ——貴嬢の
阿父
(
おとつさん
)
は篠田さんを敵の如く憎んで居らつしやるんですとねエ——まア、
何
(
ど
)
うしたら
可
(
い
)
いんでせう——梅子さん
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
読んで分った所で、ファウストが
何程
(
どれほど
)
の物だ? 技巧の妙を除いたら、果してどれ程の価値がある?
況
(
いわん
)
や友はあやふやな語学の力で分らん処を飛ばし飛ばし読んだのだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何程
(
どれほど
)
の
甘味
(
うまみ
)
のあると云ふではないが、
寂
(
さび
)
のある落ちついた節廻しは一座を
森
(
しん
)
とさせることが出来た。金太郎と云ふ芸者がひよつとこ踊でよく喝采を博した。おもちやは
鼓
(
つづみ
)
をうつ。
二黒の巳
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「結婚は戀の墳墓なり」と云ふ格言が此の際
何程
(
どれほど
)
強く私の心に響いたであらう。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
不換紙幣は当時
何程
(
どれほど
)
世の中の調節に与つて霊力が有つたか知れぬ。其利を受けた者は勿論利休では無い、秀吉で有つた。秀吉は恐ろしい男で、神仙を駆使して吾が用を為さしめたのである。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
こうした御慣れなさらない
山家住
(
やまがずまい
)
のことですから、さて暮して見れば、都で聞いた
田舎生活
(
いなかぐらし
)
の
静和
(
しずかさ
)
と来て
視
(
み
)
た
寂寥
(
さびしさ
)
苦痛
(
つらさ
)
とは
何程
(
どれほど
)
の
相違
(
ちがい
)
でしょう。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
乳の世話から
糞尿
(
おしめ
)
の世話、一人前に仕上げる迄、
何程
(
どれほど
)
の苦労だつたとも知れたもんぢやない、チヨツ、新橋の花吉が一人で出来たとでも思ふのか、オイ花吉
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
しかし折角殊勝の世界に眼を着け、一旦それに
対
(
むか
)
って突進しようと心ざした者共が、此の
一関
(
いっかん
)
に
塞止
(
せきと
)
められて
已
(
や
)
むを得ずに、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
し、
徘徊
(
はいかい
)
し、遂に後退するに至るものが、
何程
(
どれほど
)
多いことであろうか。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よく大久保の
噂
(
うわさ
)
が出た。雨でも降れば壁が乾くまいとか、天気に成れば
何程
(
どれほど
)
工事が進んだろうとか、毎日言い合った。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
前の方からも、
亦
(
また
)
。あゝ月明りのおぼつかなさ。其光には
何程
(
どれほど
)
の物の
象
(
かたち
)
が見えると言つたら好からう。其陰には何程の色が潜んで居ると言つたら好からう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし、山家が
何程
(
どれほど
)
恐しい昔
気質
(
かたぎ
)
なもので、すこし毛色の変った
他所者
(
よそもの
)
と見れば頭から
熱湯
(
にえゆ
)
を浴せかけるということは、全く奥様も
御存
(
ごぞんじ
)
ない。そこが奥様は
都育
(
みやこそだち
)
です。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
未
(
ま
)
だ
其様
(
そん
)
なことを言つてる。奈何してまあ女といふものは
左様
(
さう
)
解らないだらう。
何程
(
どれほど
)
私が市村さんの御世話に成つて居るか、お前だつて
其位
(
それくらゐ
)
のことは考へさうなものぢやないか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
包紙の印刷は
何程
(
どれほど
)
用意してあるか、秋の行商の
準備
(
したく
)
は何程出来たか、と達雄は気を配って、時には帳簿の整理のかたわら、自分でも包紙を折ったり、印紙を
貼
(
は
)
ったりして、店の奉公人を助け励ました。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“何程”で始まる語句
何程位