“生得”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうとく42.2%
しやうとく33.3%
うまれつき8.9%
せいとく6.7%
うまれ4.4%
うまれえ2.2%
シヤウトク2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新一君のお母さんは日本人の顔を持った生粋きっすいのアメリカ人であった。祖父ブウリーと父新太郎の血を受けついだ生得しょうとくのスパイであった。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
生得しやうとく聰明な人だけに、老臣等に掣肘せいちゆうせられずに、獨力で國政を取りさばいて見たかつた。それには手足のやうに自由に使はれる侍が欲しい。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、後前あとさき見ずの乱暴で、其乱暴が生得うまれつきで、そして、果して真に困ツちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性はどうだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
絶えず束縛され——無理ひに生得せいとくの性質の火を絶えずよわめさせられて、その焔が内に向ふにまかせ生命を刻々こく/\に嘗め盡すとも
彼はその妻の常にたのしまざるゆゑつゆさとらず、始より唯その色を見て、打沈うちしづみたる生得うまれ独合点ひとりがてんして多く問はざるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紐解ひもときの賀のすんだ頃より、父親の望みで小学校へ通い、母親の好みで清元きよもと稽古けいこ生得うまれえさいはじけの一徳には生覚なまおぼえながら飲込みも早く、学問、遊芸、ふたつながら出来のよいように思われるから
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
生得シヤウトクで為方がないとあきらめないでくれ給へ。十六代目羽左衛門の桜丸、同じく輪廓において劣るところのあるのがこんどは美しく見えた。
手習鑑評判記 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)