“両”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ふた33.6%
りょう26.9%
ふたつ17.9%
りやう9.0%
テール5.2%
もろ5.2%
モロ0.7%
ふたつなが0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聖の御頭みつむりかすかに後光をはなち、差しのべたまへるふたつの御手の十の御指は皆輝きて、そのたなひらの雀子さへも光るばかりに喜び羽うち
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのうち、やっと起きあがった警官けいかん加勢かせいにかけつけ、りょううでを水車みずぐるまのようにふりまわして、目に見えぬてきにおどりかかっていった。
このふたつの情はたとえその内容において彼此ひし相一致するとしても、これを同体同物としては議論の上において混雑を生ずる訳であります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ニヤ/\とりやうほゝくらくして、あの三日月形みかづきなり大口おほぐちを、食反くひそらしてむすんだまゝ、口元くちもとをひく/\としたあかかへるまで、うごめかせたわらかた
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから鉄砲打ちが何か云ったら、『なんだ、かしわの木の皮もまぜておいたくせに、一俵二テールだなんて、あんまり無法なことを云うな。』
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もろはだ脱いで赤いじゅばん、拡げた扇子を振りまわし「太鼓が鳴ったら賑やかだ、ほんとにそうなら済まないね、ヘラヘラヘ」
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
今日の用語例は、語原的に言ふと、確かに「モロに」で、相撲などの術語から出たものと思はれる。さうでないとすると、近世的の語として「モロに」など言ふ語の発生は疑はしい。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其の翌十八年の夏酷暑と悪病を避けて有馬の温泉に浴す。はしなく会人あいづのひと無々君と邂逅して宿やどを倶にす。君は真宗の僧侶にして、学識ふたつながら秀で尤も説教に長ぜりと。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
「私なんかに、——た親も、家もないような」