“両腕”のいろいろな読み方と例文
旧字:兩腕
読み方割合
りょううで70.8%
りょうて8.3%
もろうで8.3%
うで4.2%
りやううで4.2%
モロウデ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仕立屋したてやさんはひらりととびおりて、両腕りょううでで木をかかえました。こうして、いままでずっとかかえていたような顔をして、大男にむかって
服を着かけていたかの男は、両腕りょうてをあげたまま、シャツの前穴から顔を出したところだったが、薄笑いをうかべながら屹度きっとドクトルを睨みつけて
誤診 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
破れた唐紙は外から開いて、パッと飛込んで来たのは匂うばかりのお染、一塊の花束のように、ヨロヨロと立ち上がった百松の両腕もろうでの中へその身体を投げかけたのです。
これも何か思い当る処あるらしく、客なる少女の顔をじっと見て、又たそっと傍の寝床を見ると、少年は両腕うでまくり出したまま能く眠っている、其手を静に臥被ふとんの内に入れてやった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
掻蹲かつゝくばひ、両腕りやううでひざあづけたまゝ啣煙管くはへぎせる摺出すりだていは、くちばしながさぎ船頭せんどうけたやうなさまである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
皆の人のけはひで、覚め難い夢から覚めたやうに、目をみひらくと、あゝ、何時の間にか、姫は嫗の両腕モロウデ両膝モロヒザの間には、居させられぬ。一時に、慟哭するやうな感激が来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)